17歳の美少女殺人事件、法廷に提出されなかった残虐すぎる「新証拠」

昨年7月、地元ニューヨーク州ユーティカで殺害されたビアンカ・デヴィンスさん(Courtesy of the Devins Family)



遺族に残された道は「娘の死を意味あるものにすること」

キム・デヴィンス氏も、被告がこんな恐ろしいことをやってのけることになぜ気づかなかったのかと家族を責めるつもりはない。彼女自身も事件前に何度かブランドン・クラーク被告と顔を合わせ、礼儀正しく、言葉遣いもちゃんとしているという印象を受けていた。彼を信頼していたので、2人が遊びに行く時にビアンカの15歳の妹がついていくのも承諾した。「他の親御さんにアドバイスはありますか、とよく聞かれるんですが、何も言うことはありません。だって彼は用意周到で、まんまと本性を隠したんですから」と彼女は言う。「彼のご家族でさえ、茶目っ気のあるオタク好青年が、怪物に変わるなんて想像できなかったんですよ。家族でさえ危険を察知できなかったのに、どうして私たちにわかります? 今回のことで一番恐ろしいのは、そこです」

クラーク被告に対する公判手続きが事実上ほぼ幕を閉じた今、デヴィンス氏に残された道は娘の死を意味あるものにすること。アンソニー・ブリンディシ議員とともに、Instagramをはじめとするソーシャルメディアの監視強化を呼びかけている。ちなみにInstagramは、ビアンカさんの遺体画像の拡散を防止できなかったとして激しく非難された(これに対して今週Instagramは、今後は見知らぬ人物からのプライベートメッセージを自動的にブロックするオプション機能を設けるとブリンディシ議員に伝えた)。

ごく最近では10月、ビアンカさんの誕生日に、彼女の頭にPhotoshopでバースデーハットを乗せた画像が継父の元にDMで送られてきたという。「本来なら取り締まってしかるべきなのに」とデヴィンス氏。「大手企業は責任を負うべきです。プラットフォームの取り締まりを怠った結果の責任をとるべきです」

デヴィンス氏は地元ユーティカでBee Galaというイベントを主催する予定だ。イベントの収益は、ビアンカさんの名前をとった心理学専攻の学生向けの奨学金に充てられる。ビアンカさんは長いこと境界性パーソナリティ障害を患っており、精神疾患を抱える若者たちの役に立ちたいと、その年の秋からコミュニティカレッジに通うはずだった。

本人いわく、悲しみを建設的なことに向けるのが助けになっているという。だが1日1日がいまだ長く感じられ、娘を失った傷はなかなか癒えそうにもない。「今でも2回に1回は、何をしていいか分からなくなります」とデヴィンス氏。「シャットダウンしてしまう感じですね。そういう時は、とにかく1日やり過ごすことだけを考えるようにしています」

彼女は毎日携帯メールで霊媒師とやり取りし、ビアンカさんからのメッセージを届けてもらっている。本人いわく、これが慰めになっているそうだ。時々、ビアンカさんの最期の瞬間のことも考える。後部座席で最後の息を引き取る数分前、クラーク被告に家まで送ってと頼んだ瞬間を。なぜ娘はすぐ車を降りてその場を立ち去らなかったのだろう。なぜ自分に電話をかけなかったのだろう。だがたいていは、娘がどれほど家に帰りたがっていたか、ということに思いをはせる。

ビアンカさんが鬱病にもっとも苦しんでいた最悪の時期、デヴィンス氏はしばしば娘にあきらめないでと言ったそうだ――自分のために頑張れないなら、お母さんのために、家族のために頑張って、と。

「娘は決して私から離れないと約束しました。そしてずっとその約束を守ってくれました」とデヴィンス氏。「いまでもずっと、約束を守ってくれています」


Translated by Akiko Kato

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