17歳の美少女殺人事件、法廷に提出されなかった残虐すぎる「新証拠」

昨年7月、地元ニューヨーク州ユーティカで殺害されたビアンカ・デヴィンスさん(Courtesy of the Devins Family)



クラーク被告は殺害当日のTo Doリストを作成していた

だがクラーク被告は、それじゃ答えになっていないと言って、彼女をぶった。ビアンカさんは、家まで送ってくれないなら車から降りて歩いて帰る、と言い放った。クラーク被告はこのタイミングで、彼女をナイフで襲った。トランクから取り出して、座席の脇に隠しておいたナイフだ。「全くの不意打ちだったと聞いています」とデヴィンス氏。本人は映像を見ていないが、内容については捜査段階で聞かされていた。「娘には、その後どうなるのか全く見当もついていなかったでしょう。反撃するひまも、身を守るひまもなく、予兆もなかったんですから」。それからクラーク被告はビアンカさんが息を引き取る瞬間の撮影に移り、そのあと遺体の写真を撮ってソーシャルメディアに投稿した。

ビアンカさんの死の直後、クラーク被告が動画もソーシャルメディアに投稿したという誤った噂が流れた(Instagramには、フォローと引き換えに動画を投稿すると約束するアカウントも登場した)。だがクラーク被告の出廷前、警察は動画の存在を公には認めていなかった。

「まさに究極的な支配的行為です」。 被害者サポート組織Safe Horizonで刑事司法プログラムのモーリン・カーティス副会長は、犯行を撮影して写真をソーシャルメディアにあげたクラーク被告の意図についてこう語った。「いわば、『自分が支配している、支配者は自分だということを見せてやる。お前を殺して、撮影して、自分がお前を支配しているさまを他の連中にも見せてやる』と言っているのです。殺すことで彼女だけでなく、彼女を愛していた人々も傷つけようとしているのです」

クラーク被告が以前からビアンカさん殺害を計画していたのか、それともコンサートの後怒りに駆られて殺したのか、いくらか疑問が持ち上がった。刑務所から犯罪動画ブロガーのアンティモネ・レイン氏に宛てた手紙の中で、被告は万が一を考慮して、あの時頭が真っ白になって詳しいことは覚えてないと仄めかし、理論上は一時的責任無能の抗弁の可能性を残したようだ。だがビアンカさん殺害映像の存在が明らかになったことで、こうした主張には疑いの目が向けられている。

審問の際、クラーク被告は殺害当日のTo Doリストを携帯電話に作成していたことを認めた。その中には、Instagramのプロフィールを変更して命日を記載すること、映画『ファイトクラブ』のセリフ「これがお前の人生、1秒ごとに終わりに向かっている」を投稿することが含まれていた。またインターネットの閲覧履歴には、頸動脈の見つけ方や頭部切断の仕方を検索した履歴が残っており、そのことについても質問された。

こうした証拠のすべてが、計画殺人を裏付けているとデヴィンス氏は考えている。「あの瞬間、ビアンカが何を言っても、何をやっても、事件を止めることはできなかったでしょう」と彼女は言う。「明らかに彼は、すべて頭の中で計画していたんです」

検索履歴からは、クラーク被告がビアンカさんに入れ込んでいた様子もうかがえた。2人が直接顔を合わせたのは数カ月前だったが、被告は頻繁に彼女の名前を検索し、ソーシャルメディアの投稿をチェックし、彼女の画像を保存した。デヴィンス氏はローリングストーン誌に、ビアンカさんが好きだったもののひとつ、ブランコのタトゥーを被告が入れた話を聞かせてくれた。被告は出会って1週間後にブランコのタトゥーを入れ、彼女の高校卒業パーティで披露したという。

クラーク被告が殺害前にビアンカさんに暴力をふるった証拠はないものの、こうした行動は他人を支配したいという執着心に良く見られる、とカーティス氏は言う。「殺人事件の場合、強制的な支配力の顕示など、刑事司法のレーダーには必ずしも引っかからない類の暴力的行為がしばしば伴います」と彼女は言う。「家族ですら、暴力的行為だとは思わないこともあります。執着や嫉妬とみなして受け流したり、愛情表現のひとつだととらえたりしがちです」

Translated by Akiko Kato

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