赤頬思春期、思春期の酸いも甘いも駆け抜けたドラマチックな一夜

ここで「緊張がすこし解けてきました」と話すアン・ジヨンとウ・ジユンが「次の曲は皆さんと楽しめるステージを準備しました、歌ってダンスも踊りましょう!」と提案。楽曲「You」のサビを一緒に踊り、会場を半分に分けてそれぞれコーラスと歌を合唱し、ファンと共に楽しんで盛り上がりを見せた。と思えば、ウ・ジユンが鍵盤ハーモニカを持ち、アン・ジヨンも椅子に腰をかけてアレンジを加えた「Freesia」をしっとりと歌い上げる。多感な思春期という時期を示すかのように、赤頬思春期の表現の幅の広さを感じられた一幕だった。


ウ・ジユン(Photo by Yuji Miura)

今回のライブでは数曲演奏する度に細かくMCが行われたが、その中でも「私たちは話したいことがたくさんあるんです」と実際にたくさん話す姿が健気で好印象だった。ここでは、「愛とは難しい感情だけれど、それでも知りたいものなんじゃないかなと思うんです」と、自ら作詞作曲した日本初のオリジナル曲「LOVE」への想いを語る。そのまま最新曲「LOVE」と「私だけダメな恋」という、”恋愛は難しい”の想いに繋がる2曲を披露。マイクスタンドを立て、恋に悩む女性の感情を込める姿が儚げで美しくもあり印象的だった。落ち着いた曲の後は、「赤星思春期と星を見に行こうか?」と楽曲「星を見に行こうか」を披露。アン・ジヨンが「私が好きなロマンチックな曲です」と話すだけあって、楽しそうに歌い上げる。

ここまで前半は恋愛をテーマに据えた曲を披露。曲の中で示される愛情の起伏やR&Bのクールさとポップなキュートさのギャップなど、ジェットコースターのように変わっていく姿は思春期の複雑な気持ちを示すようでもあった。ここで2人が作り上げた世界観は、そんな様子を観ているファンにも、思春期の頃に抱いていたロマンチックな感情を思い出させてしまうほどであり、今ライブを振り返ってもみても曲の世界観への溶け込みを体現していたと感じる。

後半では黒地の衣装にコスチュームチェンジしたメンバーが再び登場。ここからは恋愛だけではなく、仕事が山積みな日常に辟易した心情を歌う「Workaholic」や、ウ・ジユンのラップも披露された「Fix Me」、冬の情景の中で幼馴染への暖めて来た感情を歌う「#FirstLove」など立て続けに披露。途中で披露された「旅行」では、その前のMCでファンからの意見を募って決めた「大福! もちもち!」というコールを曲の中に取り入れ、ステージを左右に走り回り楽しそうにするアン・ジヨン。自身も客席の通路に降りてファンと共に盛り上がる姿は、ファンを大事にしながら一緒に楽しんでいこうとする姿勢を感じさせた。また、アン・ジヨンが唆してウ・ジユンが「めんどくさいなあ」と冗談を言いながら、客席の通路を歩かせるシーンでは、2人の仲の良さも垣間見えた。会場と一体となって楽しんだ場面の後には、サプライズでImagine Dragonsの楽曲「Believer」も披露。普段の赤頬思春期とは違うダークで力強い一面での迫力を見せた。その後は終盤にかけて、赤頬思春期の最大の魅力である、恋愛で抱えうる感情をテーマにした「Mermaid」、「Blue」を披露。「今日はとても楽しくて大切な時間でした。日本のファンの方たちに感謝します。今年もよろしくお願いします! 今年はもっと素敵な曲をたくさんたお届けします!」と、ファンに2020年の赤頬思春期のより精力的な活動を約束し、「皆にたくさん愛された曲です。良い日はいつか必ず来ます。この歌を聴きながら、辛かった思春期を送り出してあげてください。」と一番の代表曲「私の思春期へ」を披露。当日一番の拍手を受けて、本編は幕を下ろした。

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