幼児による電子タバコの誤飲が米国で急増中

報告数の減少から再び増加への理由

Pediatrics誌は2018年、国立毒物情報システムのデータとして、2012~2017年の間に液体ニコチンと接触した6歳未満の子供は推定8269人だったと報じた。このうち大多数の子供たち(92.5%)が、実際に液体を誤飲している。研究によれば、中毒管理センターに寄せられた報告件数はものすごい勢いで急増し、2012~2015年の間では1398%の増加――アメリカ全土で電子タバコの利用者数が増えたのとちょうど同じ時期だ。消費者喫煙推進協会(Consumer Advocates for Smoke-Free Alternatives Association: CASAA)のCEOアレックス・クラーク氏は、2013年はベイプが「さらに主流化した」年だったとローリングストーン誌に語った。

しかしその後は報告件数ががくんと減り始め、2015~2016年の減少率は20%。Pediatrics誌に掲載されていた論文の著者は、児童ニコチン中毒防止法(Child Nicotine Poisoning Prevention Act)の可決が原因ではないかとみている。バラク・オバマ大統領が署名したこの法律は、液体ニコチンの容器を子供が開けられないようなパッケージにすることを電子タバコ製造会社に義務付けた。しかしそれでは、中毒管理センターへの電話件数が2018年から2019年にかけて再び増加に転じた理由は説明がつかない。それぞれ2018年には1783件、2019年には1913件の電話が寄せられている。

小児科医であるジェンセン助教授は、ベイプ関連の肺疾患に対してマスコミの関心が高まったことが増加の原因のひとつだと考えている。「こうした製品は以前より出回っていますし、その危険性も耳にするようになりました。それで皆さん、心配になって電話をかけているんです」と彼は言う。クラーク氏の見解によれば、市場の傾向が再び小型カートリッジを好むようになったことも関しているようだ。小さくなればなるほど置き忘れの可能性も高くなり、「こうした製品をその辺に置きっぱなしにして、子供が手にするようになったのは十分考えられます」 だがおそらく、最大の原因は単純(なこと←「に」)、つい最近まで成人の間で電子タバコの利用が増加し続けていたという事実だろう。ある市場調査会社の推計によると、全世界の電子タバコ利用者数は2021年までに5500万人に達すると予想されている。

Translated by Akiko Kato

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