米20代の兄弟、幻覚作用入りベイプの違法製造で数億円ビジネス

タイラーとジェイコブ・ハフィンズの両被告 ケノーシャ郡保安官事務所

幻覚作用のある「THC」を含む、ベイプカートリッジをめぐる一大オペレーションの首謀者として米ウィスコンシン州の兄弟が逮捕された。警察によると、20歳のタイラー・ハフィンズ被告は1日に何千本もの偽カートリッジを製造し、数億円規模のビジネスを展開していたという。

米ウィスコンシン州の兄弟が偽のTHCベイプ(電子たばこ)カートリッジの製造および販売をめぐる一大ビジネスに関わっていたとして起訴された。20歳のタイラー・ハフィンズ被告が築いた“帝国”は、アメリカでも最大規模であると予測され、米警察当局はタイラー被告が1日に何千本もの偽カートリッジを製造する複雑な数百万ドル規模のビジネスの首謀者であると踏んでいる、と地元紙Milwaukee Journal Sentinelが報じた。

米現地時間9月16日の月曜日、タイラー被告はドラッグ製造所の維持、なりすまし犯罪、1万グラム以上のTHC(テトラヒドロカンナビノール、マリファナに含まれている幻覚作用などのある物質)の製造・販売の罪で起訴された。コカイン売買で保護観察中だった23歳の兄ジェイコブ・ハフィンズ被告もコカイン、THC、銃の所持で起訴された。

警察当局は、ハフィンズ兄弟が米ウィスコンシン州ブリストルの貸コンドミニアムをベイプカートリッジの製造拠点にしていた、と明かした。そこでは、濃縮された液体THCをベイプカートリッジに詰め、“クロニック・サワー・パンチ”などの名前のキャンディーに似せたパッケージに入れる作業員として、少なくとも10人が雇われていたのだ。ウィスコンシン州では、このような行為は違法である。パッケージには、最低限のTHCが含まれていると表示されていたものの、カートリッジには1000ミリグラム以上ものTHCが含まれていたことが当局によって明らかになった。これはパッケージに表示された数値の150倍以上だ。

警察当局は、9月5日にパドック・レイクの兄弟の実家とブリストルのコンドミニアムで逮捕状を執行し、ハフィンズ兄弟を逮捕した。コンドミニアムは、タイラー被告が偽名で借りていた。

警察に対し、タイラー被告は自分がなりすました男性とは面識がないことを明かした。「カリフォルニアの何人かの男たち」におよそ2000ドルを支払い、個人情報を入手したというのだ。

ケノーシャ郡保安官事務所によると、捜査官は150万ドル以上の金額に相当するTHCカートリッジを発見・押収した。

パドック・レイクの実家の押収品には、現金5万9000ドル、銃8挺と弾薬、コカイン、マリファナ、抗不安薬ザナックスのピル、携帯電話9機、ドラッグ関連道具一式が含まれていた。ブリストルのコンドミニアムでは、およそ3万1200本の満タンのベイプカートリッジ——すべてにTHCが1グラムずつ入っていた——、THCがまだ入っていないカートリッジおよそ9万8000本、1616オンス分の精製された液体THCが入ったメイソンジャー57個、およそ18ポンドのマリファナ、マネーカウンター3台、何千本もの空のカートリッジの箱、梱包材、道具一式が押収された。

Translated by Shoko Natori

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