清春が考える、はみ出し者の美学「フェスじゃなくワンマンで勝負する」

清春(Courtesy of PONY CANYON)

デビュー25周年を迎えた清春。先日リリースしたカバーアルバム『Covers』は清春らしい一癖も二癖もある作品だ。本作の話をフックに、フェスに傾倒する音楽業界やドラッグ問題についてなど、包み隠さず本音を話してくれた。

―カバーアルバムを出そうと思い立ったのはいつ頃ですか?

2年ぐらい前にレコード会社を移籍した時に、カバーアルバムを出したいって言ってたんですよ。それまでに僕は「エレジー」というアコースティックのライブをずっとやっていて、そこでカバーをずっとやってたんで。そのアコースティックライブを始めたのは10年以上前に遡るんですけど、その間、ライブで披露したカバーの中でファンに好評な曲もあって。で、MCで『カバーアルバムをいずれ出したいなぁ』って言ったら拍手が多くて。

本当はその時移籍してすぐにカバーアルバムを出したかったんだけど、エレジーというアコースティック・ライブ音源とオリジナル・アルバムを先に出させてくれって言われて、カバーアルバムは保留になってたんですよ。今回カバーを出すには中途半端な年数だなって思ってたら、今年25周年で。キャリアが増えていくとどうしても知らない人が僕を聴くタイミング、入り口がどんどん減っていくじゃないですか。それで25周年というタイミングも借りつつ、やってもいいことの一個だったって感じですね。

―最初にカバーを始めたキッカケは?

実はシングルのカップリングとして結構前からやってるんですよ。「シクラメンのかほり」とか。今年でソロ15周年なんですけど、ソロデビューをした時期も、井上陽水さんが作ってジュリー(沢田研二)が歌った「背中まで45分」とかやってるんですよね。洋楽もDead or Aliveの曲とか結構カバーしてるんですよ。

―なるほど。

実はソロで、カップリングでカバーやるのは僕の中では丁度よくて。シングルを出すと、次にアルバムが控えてていっぱい曲を作くらないといけないわけで(笑)。でもカバーだと作曲はしなくてもいいし、歌詞は書かなくていいわけ。それでやり始めたのもありますね。邦楽だと中森明菜さんの「TATTOO」や、さだまさしさんの「防人の歌」をカバーしたこともあるし。あの時、親父が死んだ時で、『海は死にますか、山は死にますか』『私の大切な故郷もみんな逝ってしまいますか』っていうのが凄く自分の中でリンクして。自分が書いた歌詞でもいいけど、それがはまるっていうか、それはリスナーと同じ気分で、『あぁ、今この曲聴くとやばい』みたいなのがあって、カバーをやっていた時期もあったりして。で、今回はの『Covers』には、男が身勝手で女がいじらしい、捨てられても捨てられても私はあなたが大好きよ、愛してる、忘れられない、そんな感じの曲をちょっと多めに集めたんです。

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