ビリー・アイリッシュ表紙秘話 女性ポップスターへの期待を「粉砕」したフォトグラファー

ビリー・アイリッシュ、表紙撮影の未公開写真(Photo by Petra Collins for Rolling Stone)



ホラー映画に着想を得た、独自の撮影セットを用意

コリンズは写真の構図に関してはうるさい――10代のほとんどをカメラの前に立って過ごしたのだからなおさらだ――今回も、2つの技法を駆使してアイディアを形にした。

「他の若い(女性)ポップスターの写真は、たいてい男性が撮影しているんじゃないかな。それも、ある特定のアングルから撮るのよね」と言って彼女は、自分がなぜ被写体を下から撮るのか説明した。「ものすごい下から撮ってるってわけでもないのよ。でも物理的にカメラに立ちはだかるようになるから、被写体に力強さが出るの。前かがみでも、立ちでもいい。物理的に、私のほうが被写体を見上げてるってわけ」

またダンスをしていた経験から、コリンズはデジタルよりも、フィルムでの撮影を好む。フィルムで撮影すると身体がリアルに表現できるだけでなく、その都度気合を入れて撮影することを強いられる。「常に光量を測ったり、エネルギーを頭のなかで考えたり、色味はどうしようか、カメラワークをどうするかとか。やり直しがきかないからね」




Photo by Petra Collins for Rolling Stone

彼女はフィルム撮影を映画製作に例えた。今回彼女とアイリッシュは、ホラー映画に着想を得て、独自の撮影セットを構想したのが功を奏した。コリンズはセットデザイナーと共にロサンゼルスのスタジオで、不気味なリビングルームを製作した――若い女性の撮影でありがちなベッドルームはあえて避けた――ホルマリン漬けのテディベアやら、眼球がいっぱいに入った水槽など、小道具も満載だった。

「床いっぱいに土を敷いて、そこにバラを植えたの。『ビートルジュース』っぽいでしょ」と本人。「『ビリーと私が安心できる場所を作ろう、2人の世界観がひとつになった共有スペースで撮影しよう』って考えたの」

Translated by Akiko Kato

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