ビリー・アイリッシュ表紙秘話 女性ポップスターへの期待を「粉砕」したフォトグラファー

ビリー・アイリッシュ、表紙撮影の未公開写真(Photo by Petra Collins for Rolling Stone)



ペトラ・コリンズの苛立ち「完全に間違った時代になってしまった」

コリンズの目的は、自分もアイリッシュも楽しめるものにすること。アイリッシュが自分の作品やスタイルにはっきりした独自のヴィジョンを持っていたため、彼女が年下だということをすっかり忘れてしまっていたそうだ――ただし、『羊たちの沈黙』が話題に上ったときは説明が必要だった。「作り物の蛾を用意してね」とコリンズは説明した。「映画のポスターみたいに、彼女の口の中に入れたのよ」

26歳のコリンズは、17歳のビリーのために「Goodbye Horses」を再生するハメになった。映画の名場面のバックに流れていた曲だ。「笑っちゃうわよね、私の方が年上で、年下の子に昔のことを教えるなんて」

初めてのローリングストーン誌の表紙撮影に加え、コリンズはシリーズ作品『Baron』のプロモーションにも忙しい。6作目となる今回は、セルフポートレート撮影に挑戦した。被写体は自分と自分の姉、それと彫刻家のサラ・シットキンに頼んで取ってもらった、自分たちの顔や身体の型。作品の大部分はInstagramの世界をテーマにしている。人々が自由に思い思いの現実を作ることができる一方、チェーン店やブランドの商品と化して逆に売りつけられてしまうような世界だ。








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「誰もが好きなように現実を作れることには賛成だけど、自分たちの作った現実が他の誰かを傷つけるという、完全に間違った時代になってしまった」と彼女は言う。こうしたことに免疫はあると自覚しているコリンズも、自分が思い描いた現実が実際の現実とそぐわないことに苛立ちを覚えている。

「自分自身を見つめ直すべきだと思ったの。自分の身体は魂の入った単なる容れ物だと認識する必要があるなって」と本人。「それを実現できた私は恵まれていたと思う。本当に必要だと思う作品を作ることができたし、もしかしたら、この先も他の人々を撮影し続けるかもしれないしね」


Photo by Petra Collins for Rolling Stone

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Translated by Akiko Kato

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