遠藤哲哉という「影」が目指す、DDTの"不安定"な未来

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「影」が「光」を潰すことで生まれるDDTの未来とは

しかし、遠藤の“面白くない”気分が解消されたわけではない。なぜなら、それでもなおDDTの「光」は竹下幸之介に当たっているからだ。

「ここで俺が負けたらDDTは終わる」

2019年7月15日、大田区総合体育館で開催される「Wrestle Peter Pan 2019」のメインイベントとして行われるタイトルマッチを前に発した遠藤のこの一言は、挑戦者である竹下のみならず、団体に対する不満をも端的に表している。

遠藤 企業の傘下に入ってから、ぶっちゃけて言えば、会社も選手も以前に比べ格段に“安定”したムードになっているんですよね。俺らの生活とか団体の成長って意味では、歓迎すべきことだけど、そうした“安定”から生まれる展開が面白いかどうかで言えば、俺にとっては面白くない。たとえば、無差別級のベルトにしても、本気で獲りに来ようとする選手が、今のDDTにいるとは思えないし。だから竹下を担ぎ出すしかないわけで。大田区のタイトルマッチだって、どうせ竹下が獲り返すんでしょ? みたいな空気が会社やファンの間にもあるじゃないですか。もし、その通りになってしまったら、少なくとも俺が好きだったDDTは終わってしまうだろうなって。

竹下幸之介がDDTの「光」であり“安定”のシンボルだとすれば、現在の遠藤が目指すのは、まさにDDTの「影」であり“不安定”のシンボルだ。

遠藤 DDTに限らず、プロレスの面白さって常識とは違う不安定さにあると思っていて。だから、俺は“不安定”な王者になりたい。別にアイツみたいに連続防衛記録を伸ばしたいとか、絶対王者になりたいとか、そういうわかりやすい安定路線じゃなく、誰にも明日がわからないような存在であり続けたいんですよ。かつてのDDTがそうであったようにね。


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負傷欠場という形で流れてしまった、6月30日のメインイベントで予定された竹下との前哨戦。大会終了後、松葉杖姿で現れた遠藤は、明らかに格上の態度で挑発する竹下に、松葉杖で殴り掛かる。すでに完治していたことを隠した奇襲といえばそれまでだが、その模様は奇しくも「光」と「影」の前哨戦として相応しいものに映った。

遠藤 俺の考えだと、タイトルマッチって挑戦者が主役であるべきなんです。だから、自分のこれまでの防衛戦はすべて、敢えて挑戦者に「光」が当たるように見せかけながら、最後に勝つ展開を心掛けてきたつもり。もちろんリスキーだけど、そういう試合がいちばん面白いと思ってる。でも、アイツの試合はいつだって竹下が「光」を独り占めしちゃってるでしょ。アイツが勝ったって記録は残っても、誰と闘ったのかっていう記憶が一切残らないから。結局、今回のタイトルマッチも、アイツは挑戦者という意識すらない。勝負に対する貪欲さは認めるけど、挑戦者という最大の利点を活かせない以上、俺に勝つことはできないですね。

勝つのは「光」を産み出す「影」なのか、それとも「影」をも消し去る「光」なのか。団体の“安定”を左右する勝負の結末は、もうすぐ訪れることになる。

■大会情報
Wrestle Peter Pan 2019
2019年7月15日(月・祝)東京・大田区総合体育館 開場12:30 開始14:00
※全席無料(DDT公式FC「DDT UNIVERSE」への加入が必要)

【遠藤哲哉選手参戦カード】
○メインイベント BLACK OUT presents KO-D無差別級選手権試合
<王者>遠藤哲哉 vs 竹下幸之介<挑戦者>

【その他主要カード】
○セミファイナル 総研ホールディングス presents KO-Dタッグ選手権試合 60分一本勝負
<王者組>佐々木大輔&高尾蒼馬 vs HARASHIMA&ヤス・ウラノ<挑戦者組>
○ドラマティック・ドリームマッチ 30分一本勝負
青木真也 vs 男色ディーノ
○初代O-40王者決定戦~ウェポンランブル 60分一本勝負
高木三四郎 vs スーパー・ササダンゴ・マシン
他全11試合予定

【団体公式サイト】
DDTグループの生中継&過去の試合はこちら。
DDT UNIVERSE(月額900円で初月無料)
https://www.ddtpro.com/

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