GLAY・TAKUROがスティーヴ・ルカサーと対面「音楽の世界で自分たちらしくあるために」

LUKE:日本の人たちは忠誠心が強いよね。TOTOの場合で言うとヨーロッパのファンもそうなんだけど、一度好きになったら、ずっと好きでいてくれるんだ。

TAKURO:忠誠心がある。ええ、それはすごくわかります。

LUKE:いつも言っているんだ。世界の他の場所でどんなことが起こっていようと、俺たちは日本に行けるし、そこに行けば人々もみんな観に来てくれる、とね。その時期に、ヒット曲があろうとなかろうと。毎回そうだからこそ、戻ってくる価値があるんだ。それに比べるとアメリカは気まぐれだ。好きだと言っていたかと思うと、何かの拍子に大嫌いだと言い始めたりする。好きになったり嫌いになったりの繰り返しなんだ(笑)。

TAKURO:本当ですか? アメリカではそんな感じなんですか?(笑)

LUKE:けなされて、また応援されて。そんなことを繰り返しているよ。だけど今では俺たちも、自分たちのキャリアをふたたび自分たちの手で管理できるようになったからね。マネージメントも自分たちでやっているんだ。俺たち全員がチームとして話をする。ビジネスは変化しているし、それと共に変わっていかなくてはならない。上手くやるためには自分たちが自分たち自身にとってのボスにならないといけない。

TAKURO:ご自身で、マネージメント会社も運営しているんですよね?

LUKE:ああ、そういうことだ。

―GLAYも自らのマネージメントを立ち上げてから久しいですよね。TAKUROさんご自身が、自ら会社を始めようと考えた切っ掛けは何だったんですか?

TAKURO:まず最初に、僕は自分のマネージメント会社を作ったんです。

LUKE:俺たちもそうだったよ。

TAKURO:10代の頃、僕はバンドの仲間たちに「よし、東京に行こう」と声をかけたんです。夢を掴もう、夢を実現させに行こう、と。それから東京に移り、最初の10年ほどはレコード会社とマネージメント会社に所属していたんです。

LUKE:うん、当然そういうことになるよな。

TAKURO:でも……なんか“ザ・ビジネス”という感じになってきてしまい……。

LUKE:稼ぎたかったら自分たちでやらないといけない。現実の話をすると、俺たちは当初、あくまで趣味として音楽活動を始めて、楽しんでいた。ただ、それがそのうちビジネスになってくると、そこに様々な問題が伴うようになってくる。なにしろビジネスというのは、利益が上がるレベルで維持していかなくては成り立たないものだからね。

TAKURO:まったくそのとおりですね。

LUKE:そこで俺には、むしろラップの連中から学ぶべきことがあったように思う。というのも、彼らが最初にやり始めたからね。彼らは自分たちでレコード会社をスタートさせて作品をリリースして、マネージメントも自らやった。オールドスクールな形でレコード契約をしている俺たちにはほんのわずかなパーセンテージでしか実入りがないのに、あいつらは何十億ドルも手にしていた。そこで「これは一体どういうことなんだ?」ということになったわけだよ。


Photo by Hikaru Hagiwara

TAKURO:はははは! 当然そういう疑問を抱くことになりますよね。今ではコンサートを行い、レコードを売って、その報酬を自分たちで管理することができています。昔の僕たちは、それをやっていませんでしたけどね。今では完全にコントロールできるようになっていて。予算面とかについても。

LUKE:なんか、俺たちが経験してきたことってよく似てるんだな(笑)。

Translated by Kazumi Someya

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