キース・リチャーズが語る、ソロ活動を通して実感したミック・ジャガーのありがたみ

リイシューされたばかりの1988年のThe X-Pensive Winosの過小評価作品『トーク・イズ・チープ/Talk is Cheap』をリチャーズが掘り下げる(Paul Natkin/WireImage)


―ストーンズでは現実的にも感覚的にもある程度のプレッシャーを感じるが、Winosではそういうプレッシャーを一切感じなかったと、以前おっしゃっていました。ストーンズで感じるプレッシャーとはどんなものですか?

どんなものかは俺にもわからない。基本的には、現れては消えるって感じだから。今は消えているよ。みんな、このことを聞きたいのは知っている。でも実際のところ、言葉で説明するのはとても難しい。人って些細なことを大げさに話題にしたがるだろう(笑)。ストーンズの全体像は常に変わらないし、今後も変わることはない。今、俺が考えていることは、これがミックと俺の関係性ってこと。牡蠣の中に真珠を作るためにはちょっとばかりのストレスが必要だろう。それだよ。俺はそんなふうに見ているし、今後もこの見方は永遠にそのままだと思うよ。

―ストーンズではできないメロディをWinosでできると言ったことがありましたよね?

メロディに関してはストーンズよりも突き詰めることができた。ストーンズが意識を向けたいものはスピードのある楽曲とロックンロールなのさ。でもWinosでレコードを作っているときに、それと同じようなプレッシャーは一切なかった。好きなテンポの曲を自由に作ってよかったからね。一方、ストーンズでは時として「スピード感はどうだ? もっと速い曲が必要じゃないか?」みたいな切迫感を感じることがある。これはストーンズで曲を作っていると今でもやっている会話だよ(笑)。それ以外だと、Winosでもストーンズと作っているのと感覚的には大差なかった。一緒に演奏するメンバーが違うってだけで。みんな最高の仲間だしね。それを2度できるという事実は興奮ものだぜ。

―Winosで小さめの劇場ツアーを行いましたよね。あれはどんなツアーでしたか?

Winosは大きなプロダクションじゃなかったから、お客さんと近いステージばかりだった。俺の中にはやりたいことが何でもできるって気持ちがあったよ。連中はプロだから。それもトップクラスの。演奏をゆるくすることも、レコード通りじゃなくても問題ないって、メンバー全員が思っていた。この質問の長い答えを短く言えば、レコードに比べたらかなりゆるかった、だよ。一番の理由は、俺がリーダーだったこと。俺はミックに比べたらかなりルーズなリーダーだから。

「俺がリーダーだったこと。俺はミックに比べたらかなりルーズなリーダーだから」

―Winosでプレイしたライブ版の「ギミー・シェルター」が大好きです。

ああ、そうか。あれはストーンズ以外でやった最高のバージョンだった。ときにはいいプレイをするってことだな。

―Winosを続けなかった理由はなんですか?

そうだな、続けるつもりで始めていなかったから。80年代後半にストーンズが長いブレークに入ったことがきっかけで始まったからね。だから一定期間続いただけだった。でもWinosがストーンズを再開するきっかけになった可能性もある。そして再び集まって『スチール・ホイールズ/Steel Wheels』を作った。あれは悪くないアルバムだったぜ!

―『スチール・ホイールズ』の「ミックスト・エモーションズ」にはWinosっぽい雰囲気がありますよね。

ああ、確かに。一つのことが他に影響を与えるってことさ。俺はストーンズのやり方に慣れていたわけだから、たぶん「ミックスト・エモーションズ」はWinos用に作った楽曲か、Winosで使わなかった楽曲だったかもしれないな。

Translated by Miki Nakayama

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