毎年恒例の消費者向け家電の国際見本市、コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)2019で注目を集めたのは「音楽」だった。今年のラスベガスで大注目された、ソニー、Apple、Spheroが発表したオーディオなどの最新テクノロジーを紹介する。
今週ラスベガスで行われた毎年恒例の消費者向け家電の国際見本市、コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)2019で、注目を集めたのは音楽だった。スマートフォンを使ったスピーカーやホームデバイスは世界中で一家に一台の必需品となり、オーディオテクノロジー企業は新旧ともに出来立てほやほやの最先端テクノロジーを我先に披露しようとしのぎを削っている。例年トレンドの指標(少なくとも、流行の指針)といわれるこの見本市も、今年は時代を先取りしているようだ。今回は、今年の見本市でとくに我々の関心を引いた音楽関連テクノロジーをいくつかご紹介しよう。
ソニーから新発売、ライブコンサートさながらの臨場感を味わえるスピーカー
今年のCESでのソニー記者発表会はファレル・ウィリアムズの登場で幕を開け、「360度リアリティ・オーディオ」がお目見えした。マーケティング的にはさほど胸に響かないネーミングだが、実際は非常に画期的で、多くのIT評論家の間ですでに高い評価を得ている。ソニーの狙いは、MPEG-H3Dという音声フォーマットをベースに空間次元を加え、ハイレゾ音源を拡張し、ボーカル、楽器など、楽曲の特定の音をリスナーの「周辺に」配置すること。新たに開発したこのフォーマットで録音・再生すれば、理想的な形で音楽をリスナーに伝達することが可能。さながらライフパフォーマンスを聴いているかのような体験が味わえる。
新フォーマットはソニーの最新特製スピーカー仕様だが、将来的には、オーディオマニア向けヘッドフォンなど、他の多方向スピーカーでも360リアリティ・オーディオ音源を聞けるようになる。詳細は、日本のテクノロジー企業よりこの後数週間以内に発表される予定。ソニー曰く、TidalやDeezerなどすでにハイレゾ音楽体験を提供しているストリーミングサービスと提携して開発を進めており、いずれは一般消費者市場でこのフォーマットを展開すると言うことだ。