「CES 2019」今年注目された音楽関連の最新テクノロジー

Appleは独自路線からついに脱却

Itunes on Samsung/Courtesy Samsung

Appleといえばここ何年も、クローズドループのソフトウェアしかリリースせず、競合他社のテクノロジーとの互換性を拒み続けてきたことで有名だが、ようやく今年のCESでiTunesやAirPlayといった機能をLG、Vizio、Sony、Samsung各社のテレビに搭載するすると大々的に発表した。これにより、Apple MusicやiTunesユーザーはついに、Appleプラットフォームと非Appleデバイスをダイレクトにつなげることが可能となる。同社はこの見本市では一度もブースを立ち上げず、年に数回、独自で記者発表を行ってきたが、近年主力商品の売り上げがいまひとつ振るわないことから、サービス事業の持続的成長のためには従来の独自路線を脱却する必要があると判断したようだ(Apple Musicも最近になって、AmazonエコーデバイスやAndroidで使用できるようになったばかりだ)。

アート教育のマストバイ、作曲ができる魔法のリング

Shpero’s Specdrums/Credit: Courtesy Sphero

今年のクリスマスに子供たちがこぞってサンタさんにお願いしたプレゼントといえば、スター・ウォーズのR2-D2ロボット。その生みの親であるロボット玩具メーカーSphero社は、身体の動きで音を出すBluetooth搭載リング「スペックドラム」を発表した(もともとはSpherroが買収した子会社の製品なので、再発表と言うべきか)。Bluetooth搭載のリングを指にはめ、色分けされたエリアをタップすると曲が作れるという優れもの。Sphero社がライセンスビジネスから撤退し、教育玩具製品に注力してSTEAM教育(科学、技術、工学、芸術、数学)を支援すると発表して以来、初めて発表した新製品のひとつだ。

このリングには100種類以上の楽器をカスタマイズすることが可能。付属の色のついたプレイマット、または身の回りにある日用品をデバイスで触れるだけで、子供でもギターリフからドラムのビート、ピアノ曲まで、自由自在に作曲することができる。技術的には控えめだが、IT企業のシンプルな製品が情操教育の分野で大いに役立つという、好例だ。子供受けするのはもちろん、我が子をアート教育にどっぷり浸らせたいと願う親世代にもぴったり。


Translated by Akiko Kato

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