キース・リチャーズが語る、禁酒生活とチャーリー・ワッツの引退

1年近くお酒をほぼ飲んでいないと明かしたキース・リチャーズ(Photo by Brian Rasic/WireImage)

ローリング・ストーンズのギタリスト、キース・リチャーズが最新インタビューで、酒量を大幅に減らしたこと共に、チャーリー・ワッツの引退をほのめかすコメントについての考えも明らかにした。

キース・リチャーズは、直近の海外ツアーでの数々のハイライトについて語ってくれた。例えば、ミック・ジャガーがライブのオープニング曲を「ストリート・ファイティング・マン/Street Fighting Man」にするためにどれだけメンバーを説得したか。例えば、これまでライブで演奏しなかった1967年の「シーズ・ア・レインボー/She’s a Rainbow」をどうやって覚えたのか。はたまた、ボブ・ディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン/Like a Rolling Stone」のカバーを復活させた理由とそれがツアー中に何度もコンサートの目玉となったこと、などなど。「ミックはこの曲を本当に楽しんでいたよ。最後のハープの部分は格別だったみたいだぜ」とリチャーズ。ツアーが進むにつれて、リチャーズの言葉を借りれば、「みんな、互いの顔を見て『ダメだ、このまま行くぜ!』って言っていた。アメリカで遊んでやるって思い始めたのもこの時さ」ということだ。

同世代のポール・サイモンやエルトン・ジョンがツアー生活に別れを告げる中、ストーンズはコンサート回数を増やしている。ノー・フィルター・ツアーの最後の日程がスタートしたのが4月20日、マイアミのハード・ロック・スタジアム公演だった。そこから6月25日のシカゴでのツアーファイナルまで、2ヶ月間で14都市をまわり、おおよそ100万人の前で演奏したのである。1964年にステーションワゴンで各地をまわりながら、初めてアメリカをツアーした頃を思い出しながら、「ここ(アメリカ)が俺たちの最初の猟場だったのさ」と、リチャーズがローリングストーン誌に教えてくれた。「正直に言うと、こんなに長いこと生きていられるなんて、俺自身が一番驚いている。この国が成長するさまをこの目で見てきたわけだ」と。

2016年のデザート・トリップ以来のアメリカツアーのために、ストーンズは長めのリハーサルを行い、セットを見直した。「それこそ、9ヶ月くらい車庫に放置していた車を引っ張り出す作業って感じだった。もう一度、慣れる必要があったね」とリチャーズが言う。しかし、彼らがリハーサルを続けた一番の理由は楽しかったからだ。リチャーズは、彼らがカバーしたソロモン・バークのソウル曲「クライ・トゥ・ミー/Cry To Me」もライブでやりたいとすら言う。

ギタリストのロニー・ウッドも最近バンドのセットリストのことを考えることが多いという。老練のアーティストであるウッドは、『Set Pieces(原題)』というコーヒーテーブル本を出版する。これには過去20年間、ウッドがツアー中の楽屋で描いた400点以上のセットリスト画が収められている。「最終的なセットリストが決まると、それをキャンバスに描くだけだよ」と、楽屋で必ずやっている作業についてウッドが教えてくれた。自分で描いたセットリストを見直してみて、ウッドは今回のツアーで演奏する曲のアイデアがたくさん浮かんだらしい。特に「ビースト・オブ・バーデン/Beast of Burden」と、最近ドイツのハンブルグで約30年振りに演奏した「プレイ・ウィズ・ファイア/Play With Fire」が入ることを願っている(ウッドは「ミックは『プレイ〜』がどれだけ良い曲か、わかっちゃいなかった」と言う)。最近のウッドのお気に入りは「アンダー・マイ・サム/Under My Thumb」で、ウッドに言わせると「これは弾くのが大変な曲だけど、上手く弾けたときの快感はハンパないよ」とのことだ。そして、彼らの2016年のブルース曲のカバー集『ブルー&ロンサム』収録の楽曲も好きだという。「ミックは前のツアーでブルース曲は1曲だけって決めたのさ。たぶん、ヤツは『ファンはあのアルバムの曲には大して興味ないかも』みたいに、ちょっと弱気になったんだろうな。俺はそうは思わない。俺なら『なあ、もっとやろうぜ! ブルース曲だけのセットってのもいいぞ!』って思う。いつか、ブルースだけのセットでプレイしたいって本気で思うもの」と、ウッドが言った。

バンドのセットリスト作りを担っているのはジャガーだが、サウンドチェックやホテルでメンバーのアイデアに耳を傾けてもいる。「ヤツはけっこう正直で、『前にこの曲をここで演奏している』とか、『ここではこの曲はウケない』とか、はっきり言うんだよ」とウッド。「そうじゃなきゃ、『ああ、それはいいな』って返事する。ミックの反応は予想できないけど、やらないにしても、その理由は理に適っている」と教えてくれた。また、ウッドはツアー直前の小さなクラブでのウォーミングアップ・ライブができることを願っているとも言った。「リハーサルが上手く行けば、最終的な決定はそこでなされるかもしれない。ウォーミングアップライブは事前に計画されることはなくて、いつもそんな感じで決まるんだよ」と。

Translated by Miki Nakayama

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