MØが語るディプロとチャーリーXCX、“ネバーランド”で見つけた故郷との絆

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デンマーク出身の新鋭ポップアイコン、MØ(ムー)が日本正式デビュー・アルバムとなる通算2作目『フォーエバー・ネバーランド』を発表した。彼女は2014年にソロ・デビュー。翌年に客演参加したメジャー・レイザー&DJスネイク「リーン・オン」は動画再生回数が24億回を超える特大ヒットとなり、昨年11月に実施されたジャパン・ツアーでは、東京公演のサポートアクトを水曜日のカンパネラが務めたことでも話題を集めた。今回はアルバムの全容を語った公式インタビューをお届けしよう。

ー『フォーエバー・ネバーランド』がようやく完成しましたが、ファースト・アルバム『No Mythologies to Follow』を発表してからの4年間に、多数の客演曲がヒットし、あなたを取り巻く環境は一変しました。『フォーエバー・ネバーランド』にはかなり前から着手していたようですが、一連の体験はアルバムの方向性にどんな影響を与えましたか?

MØ:2014年にファーストを発表したあと、実はすぐに次のアルバムについて考え始めていたの。次なる自分のサウンドを探さなければと思って、2015年に入った頃にはすでに新しい曲を作っていたわ。ただ、その「自分のサウンド」が何なのか、何をテーマに定めるべきなのか、まだはっきりと見極められずにいた。そんな時にメジャー・レイザーの「リーン・オン」が大ヒットして、それをきっかけに突然、みんなが私とコラボしたがって声をかけてくれるようになったの。いきなりたくさんの扉が開いて、大勢のプロデューサーやソングライターが私と音楽を作ることに関心を持ってくれた。それって私にとっては願ってもない話で、素晴らしいチャンスが到来したわけだし、かけがえのない経験をしたわ。



MØ:とはいえ「リーン・オン」の成功で、物事が猛スピードで進んで慌ただしい日々が続いたから、こう、地上に戻ってきて腰を落ち着けて自分の音楽を作るべく、サウンドを探したりプロデューサーを選んだり、テーマを絞るといった作業を再開できるまでに、ちょっとばかり時間を要したのよ。早い話が、時間が必要だったってこと。「リーン・オン」のヒットは私みたいなアーティストにとって、人生を変える大事件だったから。それに私は、ちゃんとしたアルバムらしいアルバムを作りたかった。1枚の作品として一貫性や整合性があって、特徴的なサウンドに貫かれていて、何かを伝えているアルバムを作りたかったの。単にヒット曲を10曲集めてアルバムにするなんてことは、考えられなかった。1本のストーリーにしたかった。だから必要なだけの時間を費やしたんだけど、そういうやり方を選んだことに満足しているわ。

ーパンクをルーツに持つあなたは、いきなりメインストリーム・ポップのど真ん中に進出するという体験を、どう受け止めましたか?

MØ:確かに私はパンク出身なんだけど、それよりも前の子供の頃は、ポップ・ミュージックが好きでたまらなかった。本当に熱烈なポップ・ファンだったの。だから、その後10代から20代初めまではデンマークのパンク・シーンに身を置いて積極的に活動していて、左翼の社会運動にも深くかかわっていたんだけど、MØとして新たなスタートを切った時には、ポップ・ミュージックを作ることに特に違和感は感じなかった。子供の頃はポップ・ファンだから、その後もずっと私の中にポップという要素はあったのよ。ただ、それと同じくらいに、よりエッジーな音楽も愛していた。従って、自分が作るポップ・ミュージックを何らかのエッジや主張の強さ、あるいはパンク的なエネルギーで色付けることが、私には重要だったわ。

ー言うまでもなく、この間にディプロとは特に密な関係を築き上げました。そもそも彼が作る音楽のどんな部分がスペシャルなんでしょうか? あなたと彼のケミストリーをどう言い表しますか?

MØ:まず私は、昔からディプロの大ファンだったの。コラボレーションを始めるずっと前から。彼が作るビートとサウンドは本当にエキサイティングだと思ったし、ほかの人たちが作るものとはひと味違うんだけど、それでいて親しみが持てた。それに、人間的にも興味深いキャラクターだと思えたの。ほら、彼は自分が作る音楽も含めて、たくさんのポリティカルなメッセージを発信していながらも、同時に徹底的に楽しむことを重視していて、それって素晴らしいバランス感だと思ったのよね。ポリティカルでありながら、音楽が与えてくれる喜びに自分を捧げていて。めちゃくちゃクールだと思ったわ。で、その後コラボレーションを始めて、言うまでもなく大ファンだった私にとっては夢が叶ったわけだから、本当にうれしかったし、結果的には師匠みたいな存在になってくれた気がする。

なぜって、彼の音楽作りへのアプローチからは学べることがたくさんあった。常に進化しようという欲求に突き動かされていて、常に境界線を押し広げようとしていて、常にエネルギー満々で、常に新しいアイデアにあふれていて、常にものすごく多彩なアーティストたちとコラボしているわよね。出身国も様々だし、誰もまだ知らないインディ・アーティストだろうが、マドンナみたいな世界的ポップスターだろうが、構わないのよ。とにかく尽きせぬエネルギーと行動力を備えている。それって、そもそもアーティストとして必須の要素だと思うのよね。立ち止まることなく常に新しいことに挑戦している彼のアプローチを尊敬しているし、彼が作る音楽も大好きだし、そういうところに共感できるからこそ、私と彼はいいケミストリーを築いているんだと思うわ。

ー今年初めに公開されたディプロのシングル「Get It Right」のPVは、あなたと彼が一緒に踊るという演出で話題になりました。あのアイデアはどう生まれたんでしょう?

MØ:あれは実はディプロが思い付いたアイデアなの。彼に聞かされて、「最高じゃない!」って思ったわ(笑)。ある日メールをくれて、「ちゃんと振付をして、全く同じ動きをするダンスでビデオを作ろうよ」って言ってきたのよ。私もあのPVは大好き! 本当にキュートよね(笑)。

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