ロッド・スチュワートが語る、父として夫としてミュージシャンとしての時間

―20歳の自分にアドバイスするならどんなことでしょうか?

たぶん「もう少し酒の量を減らせ」だな。後悔していることはほとんどない。できる限りの情報はすべて吸収したし、得られる助けはすべて受け入れた。だから20代の自分を変えたいとは思わないんだ。俺にとっちゃ最高の20代だったし、鉄道の駅で歌うことを発見した瞬間から、人生が一度も下がることなく上り調子だったからね。

―でも、さっき飲み過ぎだったと言っていましたが。

ああ、俺だけじゃなくて、みんなそうだった。フェイセズの連中は全員大酒飲みでね。誰が一番飲めるか、誰が他のメンバーを潰すかっていう競争みたいになってた。ん?これじゃあ、みんなアル中みたいに聞こえるな。どっちかと言えば、誰が最初に潰れるかって競争だったよ。

―息子さんが2人いますよね。30代の頃よりも70代の今の方が良い父親だと思いますか?

ああ、そうじゃなきゃ困るよ。だろ? 過去の経験から学んでないってことになるから。俺にとって子供はいつだってとても大事な存在だ。70年代後半にキンバリーとシェーンをもうけたけど、当時の俺は借金まみれで、外に出て必死に働かなきゃいけなかった。おかげで彼らの成長のほとんどを見逃してしまったのさ。それについて彼らとじっくり話したことがある。俺は「父さんは仲間と出かけて、パーティーして、酔っ払って、女のケツを追い回していたわけじゃない。借金を返そうと必死で働いていたんだよ」って教えたよ。
俺は下の息子2人のためにアストロターフ(人工芝)のピッチを作ってやったんだ。一人は12歳で、もうひとりが7歳。毎日夕方にこのピッチに行く。そこで彼らにサッカーを教えている。これが人生で一番と思えるくらい楽しいことだ。俺の年齢で自分の子供とサッカーできるんだからね。

―『ブレイキング・バッド』の全話を一気観したと聞きましたが。

俺にはTVを見る暇すらない。でも去年の長いツアー中にあのドラマを観て、本当に楽しかったんだ。あれ以外に観たいものは何もないよ。みんな「それじゃあ、次はこれを観たほうが……」って言うけど、俺は「ブレイキング・バッドほど面白いドラマはない」って言ってきた。でもね、最近、スピンオフの『ベター・コール・ソウル』を見つけた。ソウルの話で、面白そうなんだが……。

―このドラマも本当に面白いですよ。観たほうがいいです。

わかった、今夜から観始めることにするよ。

―ブレキング・バッドの中でお気に入りのキャラクターは?

ジェシー・ピンクマンだ。あいつはどうしようもないヤツだが、忠誠心だけはある。悪いことを全部見ているっていうのにな。

Translated by Miki Nakayama

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