ジミー・ペイジ、クラプトン、ジェフ・ベックによる83年の「いとしのレイラ」を振り返る

5年前の9月20日に行われた第一回ARMS慈善コンサートの模様

35年前の9月20日に行われた第一回ARMS慈善コンサートに、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジという3人のギターレジェンドが集結した。その奇跡の一夜を振り返る。

スモール・フェイセズとフェイセズのベーシスト、ロニー・レインが多発性硬化症と診断されて数年後、レインは度肝を抜くチャリティ・コンサートを実現した。ヤードバーズに在籍した3人の大人気ギタリストをステージに集結させ、共演を実現したのである。そう、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジの伝説のギタリストたちだ。

1983年9月20日に英国ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行われたコンサートはARMS(Action into Research for Multiple Sclerosis:多発性硬化症の研究を促す行動)と名付けられ、3人のギター・レジェンドはそれぞれのソロセットを終えたあと、トリを飾るスーパーグループとしてクラプトンの曲を2曲演奏した。彼ら以外にこのスーパーグループで演奏したミュージシャンは、スティーヴ・ウィンウッド、アンディ・フェアウェザー・ロウ、ローリング・ストーンズのビル・ワイマンとチャーリー・ワッツ、フェイセズのケニー・ジョーンズだった。

ステージのボルテージが頂点に達したのは焼け付くように熱い「いとしのレイラ/Layla」で、3人のギタリストは後半のインストゥルメンタル部分で思い思いのプレイを披露している。まずクラプトンがリードをとり、オリジナルに近いブルージーなフレーズを弾く。次にベックがリードを引き受け、コード進行に合わせてうねる叙情的で華やかなラインを披露する。その間、チャリー・ワッツは彼らしいストイックな表情をたたえている。続いてピアノのアウトロが始まると、3人はメロディーラインに沿いつつ、ハーモニーに変化をつけながら、代わる代わる演奏する。そして彼らの演奏が約6分半続いて終わりを迎える。

「俺たちがライバルだったことなんて一度もない。そんな話をでっち上げたのはメディアの連中さ」と、当時クラプトンがローリングストーン誌に語っていた。「このライブは本当に楽しかった。多くの人たちにアピールするためにビデオに頼るんじゃなくて、外に出て、ライブをやって、ツアーをやらないとダメだって実感したよ。だってビデオは俺にとって何の感動も与えてくれないから。ライブ・コンサートは今でもマジックだし、今後もずっとそうだよ。つまり、本物の代わりができるものなんてないってことさ」と。

このARMSコンサートは、ジョン・ボーナムの死に続くレット・ツェッペリンの解散のあと、ペイジがギタリストとして復活したという点でも特筆すべきものだ。「ジェフやエリックと違って、俺にはソロのキャリアがないってことを実感したのがあのコンサートだった」と、2012年にペイジがローリングストーン誌に話した。「あのとき、自分の新しい音楽と呼べるものは(1982年の)映画『ロサンゼルス』のサウンドトラックだけだったんだ。それ以外は、ツェッペリンの曲しかなかった。他のボーカリストに『天国への階段/Stairway to Heaven』を歌わせたって意味ないだろう。だから歌無しのインストゥルメンタルで演奏したんだ」と。

Translated by Miki Nakayama

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