マック・ミラー最後のインタビュー「俺のことは心配いらない」

2018年夏、ローリングストーン誌の取材に応じてくれたマック・ミラー(Photo by Clarke Tolton for RollingStone.com)

アリアナ・グランデと破局を迎え、タブロイド紙のヘッドラインを幾度となく飾った波乱のシーズンを乗り越え、自身にとってキャリア最大の野心作『スイミング』を完成させたマック・ミラー。今年の夏に掲載された、ローリングストーン誌にとってマック・ミラーへの最後のインタビューとなった本記事を掲載する。

マック・ミラーがマンハッタンの歩道を歩いていると、20代と思しき2人組のファンに呼び止められた。「イージー・マックの陳腐なラップ!」その片方は満面の笑みを浮かべながら、ミラーの初期の作品に登場する有名なキャッチフレーズを口にした。2人が去っていくのを見ながら、彼はうんざりした様子でこう口にした。「あのフレーズのことは、今じゃ死ぬほど後悔してるんだ」

ミラーがこんな風に出歩くのは珍しいことだった。現在26歳の彼は、パパラッチに追い回されタブロイド紙のヘッドラインを飾る日々に辟易し、数ヶ月前までは雲隠れしていた。人目に触れない場所でひっそりと暮らしていた間、彼はチャートの動向にも無関心になっていたという。「『デスパシート』もこないだ初めて聴いたんだ」 ニューヨークのBowery Hotelのロビーにある高級ソファにもたれながら、ミラーは笑ってそう話す。「だから空港は嫌いなんだよ」NY行きの便に乗ったロサンゼルス国際空港で、彼はうんざりさせられたという。「もうとにかく人が多すぎてさ。気が滅入ったよ」

それは極めて社交的で、生来の話し上手でもあるミラーらしからぬ発言だった。しかし最近の彼を取り巻く状況を考えれば、それも無理はないのかもしれない。今年5月、約2年間交際を続けていたミラーとアリアナ・グランデは、双方の多忙なスケジュールが原因で破局を迎えた。その数日後、酩酊状態でメルセデスのSUVを運転していたとされるミラーは、ロサンゼルスの自宅付近の電柱に激突し、そのまま逃走したとして逮捕されている。当時血中のアルコール濃度が規定値の約2倍に達していたとされる彼は、自宅を訪れた警察官を前にあっさりと罪を認めた。あるユーザーがツイッターで、トラブルが続いていたミラーの不安定な精神状態の原因はグランデにあると示唆したのに対し、彼女は2人の関係は「不毛で有害だった」と主張した。「私は彼のベビシッターでも母親でもないし、交際相手にそんな風に感じさせる関係は間違ってる。彼がアルコール依存を克服して、精神面のバランスを良好に保てるよう、私は何年間も(ミラーを)サポートしてきた」

別れて以来、ミラーはグランデとは一度も連絡をとっていない。彼女は破局から6週間後に俳優のピート・デヴィッドソンと付き合い始めたが、ミラーは元恋人に対してネガティヴな感情は持っていないという。

「長い間、彼女は俺にとって大切な人だった」翌日にロウアー・イーストサイドにあるレストランでランチをとりながら、彼は元恋人についてそう話した。交際を始める何年も前からグランデの友人だったというミラーは、彼女の婚約についてこう語る。「彼女がいい相手に巡り会えたことを嬉しく思ってる。幸せになってほしいよ。過去なんて振り返らずに、ひたすら前に進み続けてほしい。俺は俺のすべきことをやるだけさ。今の俺に必要なのは、こうして自分と向き合う時間を持つことなんだ」。


Photo by Clarke Tolton for RollingStone.com

破局以来、ミラーの動向を把握していたのは家族と親しい友人たちのみだったという。「のんびりしつつ、好きなことをやって過ごしてたんだよ」彼はそう話す。「次の一手について、俺なりにいろいろと考えてはいたけどね。そんな状況を、わざわざ周囲に知らせる必要はないだろ。何をやろうが俺の自由だ。はっきり言って、世間が誰も俺に注目しなくなったって、俺は別に構やしないんだ。マジで言ってるんだぜ。注目されるってのがどういうことか、俺はもう嫌というほど知ってるからな」

Translated by Masaaki Yoshida

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