マック・ミラー最後のインタビュー「俺のことは心配いらない」

2018年夏、ローリングストーン誌の取材に応じてくれたマック・ミラー(Photo by Clarke Tolton for RollingStone.com)


高速ラップから感情的なヴォーカルを使い分け、時には両者を同居させてみせるミラーの独創的なアプローチに、ブライオンは急速に惹かれていったという。「ラップでも歌でもない、カテゴライズ不可能な彼のパフォーマンスには圧倒されたよ」

ミラーが今作で掲げた方向性には、長年彼のエンジニアを務めているVictor Wainsteinも驚いたという。「大きなリスクを進んで背負うなんて、正直信じられなかった」2013年からマックとタッグを組んでいるWainsteinはそう話す。「一歩間違えれば全てを失うからね。でもそれは、彼が本物のアーティストだってことの証でもある。そういう存在はファンを置き去りにすることなく、まだ見ぬ領域に飛び込んでいくんだ」

「あいつは常に明確なヴィジョンを持ってる。しかもモンスター級のね」Gファンク直系の「ホワッツ・ザ・ユーズ?」を含む数曲で今作に参加しており、ミラーの親しい友人でもあるサンダーキャットはそう話す。秋に予定されているツアーでも共演する2人は、互いを家族のように感じているという。「マックとは何でも話せるんだよ」彼はそう話す。「あいつは俺の大切な友達さ」

マックは今夜ニューヨークで開催される、『スイミング』のプライベート・リスニングパーティに出席することになっている。本人はしらけ気味ながら(「こういうのってすげぇ居心地悪いんだよな」)、それがショービズ界の前線に復帰する上で必要なプロセスであることを理解している。たとえ人々が彼に関心を示さなかったとしても、ミラーが本当の自分を曝け出したことについて後悔することはない。「そうじゃなかったら俺は、今後ずっとその嘘っぱちのキャラクターを演じ続けなきゃいけないからな」ミラーはそう話す。「それって何よりストレスがたまるんだよ。俺はどんな時も自分自身でありたいし、できるはずだと思ってる」

翌日の午後、ミラーはロサンゼルスに戻っていた。前日のリスニングパーティの後、彼はロス行きの深夜便に搭乗し、明け方になって数時間眠ったものの、午後0時には目覚ましのアラームが鳴った。「今日はあちこち歩き回ったよ」彼はそう話す。「一杯のコーヒーを飲むためだけに、わざわざ大通りまで歩いてったりね。いい気分だったよ」

ツアーに向けたリハーサルを重ねつつ、ミラーは「現実と向き合う時間」を積極的に設けている。「何かに取り憑かれたかのように曲を書き続ける」という彼は、多くの時間をスタジオでミュージシャン仲間たちと過ごしている。ミラーによると、先週は彼とポスト・マローン、サンダーキャット、そしてプロデューサーのフランク・デュークスの4人でスタジオ入りし、カジュアルなジャムセッションを行ったという。

「ポストと一緒にアルバムを作ろうと思ってるんだ」彼はそう語る。「それで一緒にスタジオに入ることにした。フランクとは何度も仕事してる割に一度も会ったことがなかったから、この機会に声をかけてみた。そこにいつものようにサンダーキャットが加わって、俺たち4人でジャムったんだ」マローンがボンゴを叩いたことは確かなものの、ミラーは自分を含む3人が何をしていたかは覚えていないという。「でも最高だったよ」彼はそう話す。「4人で音を出して、ムチャクチャ楽しかった」

ミラーは晴れやかな表情を浮かべていたが、新しいロマンスの可能性について尋ねられると、大きな笑い声を上げた。「冗談じゃねぇよ!今はそんな気配すらないね」彼はそう話す。「今は独りでいいんだ。犬の面倒を見るだけで精一杯だしな」。

Translated by Masaaki Yoshida

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