フジロック現地取材「ケイシー・マスグレイヴスが証言、カントリー音楽はLGBTQを受け入れつつある」

7月29日(日)、フジロック3日目のホワイトステージに出演したケイシー・マスグレイヴス(Photo by Shuya Nakano) |

ケイシー・マスグレイヴスが最新作『ゴールデン・アワー』を携えて、バンドセットで本邦初ライヴを披露。温かく清らかな歌声が響き渡ると、それまで振り続けた雨がピタリと止み、ホワイトステージの後方から陽光が差し込む一幕もあった。保守的なイメージもあるカントリーの世界において、奔放なキャラと斬新なサウンドで支持を集める彼女。ライブを終えたあとに話を聞いた。

ーライブお疲れ様でした。最後に披露された「ハイ・ホース」では、4人の舞妓さんが登場してびっくりしました。

(プロモーションのため)5月に初来日した時に、もしもし着物サロンの人たちと知り合うことができたのよね。その時は私も着物を着たり、扇子を使った踊りを一緒にやったりしたんだけど、その後フジロックでまた日本に戻ってくるから「ハイ・ホース」の振り付けを準備してもらえないかとお願いしたら、引き受けてくれたの!

ー「ハイ・ホース」は、『ゴールデン・アワー』の未来的なサウンドを象徴する一曲だと思います。この曲でディスコ・サウンドを取り入れたのは、どういう意図があったのでしょう?

アルバム制作中にたくさんディスコを聞いていたの。特にビージース。で、ウェスタンなサウンドと、ディスコをミックスしたようなサウンドを作ろうというアイディアが浮かんで、「ハイ・ホース」が生まれたの。

ーこの曲は先月公開されたミュージックビデオも面白かったです。どんなことが歌いたかったのか、改めて教えてください。

「ハイ・ホース」では、あなたの周りにもいるかもしれない、あなたのヴァイブスを妨げる人に対して、ユーモアを含めた形で、「どっかへ行ってちょうだい」と歌っているの。それをウェスタンなりの歌詞で表現している。実は私って、そういったユーモアを楽しい形で表現することで知られているのよ。



ー素朴な疑問なんですが、あなたも含めてテキサスで生まれると、カントリーを志すのは自然な流れだったりするのでしょうか?

ええ。もしテキサスに住んでいて、音楽が好きだったら、カントリーを志すのはとても自然な流れだと思う。自分が覚えている限り、テキサスにいる時はいつもカントリーを聴いていたわ。でも、そのあとテキサスを離れてナッシュヴィルに引っ越したら、もっといろんな音楽と接することができたから、自分のルーツと新しい要素をブレンドするようにしたの。だから、自分のルーツであるカントリーに対しては尊敬の意志もあるし、一方で違うジャンルもよく聴いているわ。

ー『ゴールデン・アワー』に収録された「スロウ・バーン」で、「私が鼻にピアスをしたとき、おばあちゃんは泣いていた」と歌っていますよね。とても似合っていますけど、それっていつ頃の話なのでしょう?

いつピアスをしたか? 18歳の頃だったわ、テキサスのオースティンに住んでいた頃よ。実はこの歌詞は、ずーっと昔に作った「(Burn One With) John Prine」という楽曲のために書かれたものだったの。で、今回の「スロウ・バーン」を書いている時に、この表現が蘇ってきて。それで起用することにしたの。実際、そうして良かったと思う。アルバムのオープニングとしても興味を惹く、いい歌詞だと思うし。

ーこの曲の最初のパラグラフは自伝的ですよね。

そうね。「スロウ・バーン」は自分を観察することについての曲なの。ここで歌っているように、私はもともと早産で、(1988年に)予定よりも1カ月早く産まれたの。それなのに、今の自分は予定に遅れがちなのよね(笑)。そうやって自分を客観的に見てみると、皮肉が効いていて面白いかなって。

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