岸本ゆめの、ソロ初ライブで表現したリミッター完全解除の歌のパワー

岸本ゆめの

岸本ゆめのが6月8日(土)に東京・新宿LOFTで自身初のソロライブ『イチ、ミマン』を開催した。オフィシャルレポートを掲載する。

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2023年11月につばきファクトリーを卒業し、ソロアーティストとして新たなキャリアを進むため、今年1月にYU-M エンターテインメントに移籍した岸本。24歳の誕生日である4月1日にソロデビュー曲「BLUEMOON BLUES」を配信リリースし、5月1日に「ユーアーアイ」、6月1日に「心にSUNNY」と、彼女は連続して楽曲を配信発表。音源でソロの音楽性を伝えてきた岸本は、遂にこの日、ソロアーティストとして初のライブを行うこととなった。

岸本は、全曲ライブ初お披露目である彼女のオリジナル曲を中心に、リスペクトするジャニス・ジョップリン、山﨑まさよしのカバーを生バンドで歌唱。さらに岸本はギターでの弾き語りで歌を届けるなど、ソロとして新しい姿を見せるステージを繰り広げた。会場には、昨年まで自身が所属していたつばきファクトリーの現メンバー(小野瑞歩、小野田紗栞、秋山眞緒、八木栞)が応援にかけつけ、またライブ中には、7月1日に新たな楽曲の配信リリースが決定したことも伝えられた。

ソールドアウトとなり大勢の観客が詰めかけた会場に、岸本はバンドメンバーとともにステージに登場。大きな拍手が沸き起こると、彼女はスウィンギンなアップチューン「心にSUNNY」でライブをスタート。彼女はグルーヴィに歌唱し、観客と“ラララ”のコーラスでコール&レスポンスを展開するなど、早くも会場をノリノリの空間にさせた。続けて岸本は、アーバンなポップナンバー「真夜中の鍵」を披露し心地良い歌を届ける。ギターのアルペジオが響くと「xabón」が歌われ、切なくも温かいメロディが会場全体を包み込む。様々なカラーの楽曲をそれぞれの音に合った歌声で伝える岸本に向けて、観客は大きな拍手を送った。

MCタイムで岸本は、「みなさま『イチ、ミマン』ようこそいらっしゃいました。岸本ゆめのです。初めまして!」「ある意味、今日がソロとしてのスタートになっていくのかなというライブになっております。新宿ロフトにこんなにたくさんの方が来てくださってうれしいです!」と、観客に改めてソロとしての初めての挨拶をした。

アコースティックギターを手にした岸本は、「岸本ゆめのの始まりの曲を聴いてください」と語り、ソロデビュー曲「BLUEMOON BLUES」を披露する。ヘヴィでブルージーなサウンドとともに、彼女は感情のこもったエモーショナルな歌を響かせる。圧倒的な歌力と分厚いバンドサウンドが作り出す音の揺らぎが、全観客の心に確実に捉えた。

観客にハンドクラップを促した岸本は、観客の作り出すビートに乗せて敬愛するジャニス・ジョップリンの「Mercedes Benz」を歌唱。アカペラから入りバンドサウンドへと変化するアレンジで、彼女はゴスペル調のナンバーをソウルフルに歌い上げた。

感情を揺さぶる歌を聴かせる岸本だが、もともと明るい人柄だけにMCタイムでは観客と楽しくコミュニケーションを取っていく。これも彼女のライブの魅力のひとつである。楽しいMC中では、7月1日に新たな楽曲が配信リリースされることを発表した。

MCでも触れていたが、今回のライブは黒と白とデニムというドレスコードが設けられていた。それはアイドル時代の担当カラーが黄色だったこともあり、あえてお客さんにもシンプルな色で新しい始まりを感じて欲しいという彼女の思いから来るものだった。またペンライトも禁止となっていたのだが、それも同じ思いで、アイドルを否定するわけではなく、一度線を引いてソロとしてのライブをまっさらな気持ちで楽しんで欲しいという彼女の気持ちの表れだった。

ライブに戻ると、岸本は「続いての曲は、私の人生の先輩であり音楽の先輩であり大好きなお友だちの、ヤバイTシャツ屋さんのありぼぼさんに作ってもらった曲です」と声を上げ、「り:すたーと」を披露する。マイナーコードのソリッドなロックチューンに乗って、岸本はかっこいい姿をたっぷりと見せた。そして、岸本が大きな影響を受けたという山﨑まさよしの「パンを焼く」を歌唱。サイケデリックなファンクグルーヴの中で、存在感のあるボーカルを聴かせる見事なカバーを披露した。

Rolling Stone Japan 編集部

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