「ウイルス、テロはすべて嘘」...米NFL選手が陰謀論を狂信する理由

アーロン・ロジャース(GETTY IMAGES)

米NFLで活躍するクウォーターバックのアーロン・ロジャースが、陰謀論にハマるなど物議を醸し出している。

【動画を見る】Qアノン信望者が熱狂的支持をする映画

今週ロジャースはレギュラーゲストを務めるESPNの番組『The Pat McAfee Show』(またの名を、ハイになったWWEレスラーが司会を務めるスポーツ番組)で、人気司会者のジミー・キンメルが故ジェフリー・エプスタイン氏と関係していたと非難めいた発言をした――ロジャースが公の場でコロナワクチンに懐疑的な発言をしたことを、キンメルが深夜番組の独白パートでいじったことに仕返しした形だ。

今回の騒動以前から、ここ最近のロジャースは奇行が続いていた。ワクチンの代わりにホメオパシーでウイルスに「耐性をつけた」(本人の弁)とか、9/11同時多発テロ事件の陰謀論に手を染めたり、およそこの世でもっとも醜悪な背景画像でマカフィーの番組に毎週オンラインで出演したり、世界をリードするスポーツ局ESPNで「wokeモブ[訳注:社会正義に目覚めた(=woke)人々を揶揄する言葉]」だの「アルファベットマニア[訳注:LGBTQ+コミュニティを侮蔑する呼び方]」だの能書きを並べたり、人生で大事な決断をするために暗闇での隠居生活を始めたり。挙句の果てにはニューヨーク・ジェッツに移籍した。パッカニアーズ時代の先輩ブレット・ファーヴが移籍後にどうなったのか、知らなかったのだろうか?

かつてのアーロンは、強肩で知られた非の打ちどころのないナイスガイだった。当時は趣味もあったし、以外にもクイズ番組『ジェパディ!』では大健闘した。みんなに優しく、歴代ガールフレンドは有名人ぞろいだった。そこへきて、我々と同じように彼の人生にも様々な出来事が起き、週を重ねるごとに少しずつ社会とのつながりを失っていった。

一体なぜ希代の名クウォーターバックが道を踏み外し、黒いタンクトップを着たの男が司会を務める陳腐なスポーツ系トーク番組に週1で陰謀論をぶつようになったのか?

以下、考えられる理由を並べてみた。

Akiko Kato

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE