クミコと学ぶシャンソン、一番ドラマチックでおもしろい大人の音楽



今流れているのはこの番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説」です。

一夜漬けでいろいろ勉強しました。シャンソンと言ってもいくつかのタイプがあって、クミコさんが本の推薦文を書いている生明俊雄さんの『シャンソンと日本人』の中には民衆のシャンソン、高級なシャンソン、文学的シャンソン、現実的シャンソン、幻想的シャンソンという分類がされておりました。激動のヨーロッパの庶民の音楽がシャンソンだったと言っていいでしょうね。僕らがイメージしているのは愛の歌が多いんですけれども、愛の歌にもいろいろなドラマ、ストーリーがあるんだということも今回あらためて知りました。

アメリカン・ポップスにはないドラマ。そして、言葉の豊かさ。歌い手さんの力量と言うんでしょうかね。メロディと言葉をどう解釈するかというこのハードル、おもしろさということで言うと、アメリカの音楽とはちょっと違うなということをあらためて思いました。歌う人にとっては歌いがいがある。そして、同時にハードルの高さというのもあるんでしょう。そこに自分の人生を託しながら歌う。シャンソンは1曲しか知らなかったクミコさんが今こういう歌を歌うようになっている。これもやっぱりシャンソンがあったからというふうに言っていいでしょうね。

今月の5回の特集がシャンソンに対してのちょっと見方が変わるとか、再認識というほど大げさなものじゃなくても、シャンソンおもしろそうだなと思っていただけるきっかけになればと思ったりしております。大人の音楽ということで言うと、シャンソンが一番ドラマチックでおもしろいのかなという気がしております。



<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

Rolling Stone Japan 編集部

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