SawanoHiroyuki[nZk]が語るアニメ音楽への姿勢、ポルノ岡野昭仁との化学反応

ーそんな[nZk]の最新作、ゲストボーカルに岡野昭仁(ポルノグラフィティ)を迎えた「odd:I」(映画『七つの大罪 怨嗟のエジンバラ 後編』主題歌)が完成しました。



先ほど話したアルバム『R∃/MEMBER』で初めて岡野さんに参加してもらって、そこからお付き合いさせて頂けるようになったんですけど、岡野さんがソロプロジェクトをスタートさせたときにTVアニメ『七つの大罪 憤怒の審判』の主題歌を担当されることになって、それで僕に楽曲提供をご依頼いただいたんですよ。そういう流れもあったので、今回映画『七つの大罪 怨嗟のエジンバラ 後編』主題歌の依頼が[nZk]に来たときは「今度は逆にこちらから岡野さんにお願いしよう」と。

ーピンポイントでお声掛けしたんですね。

今回の映画は前編後編があって、制作サイドから「前編は女性で、後編は男性でお願いしたい」と言われていたんですよね。それで、この流れで男性ボーカルなら、岡野さんと一緒にやる形がいちばん綺麗だなと思ったんです。あと、岡野さんは声にすごく魅力のあるボーカリストだから、その印象は学生時代に聴いたポルノグラフィティの「アポロ」から変わらないんですけど、岡野さんだからこそ出るパーン!と広がるエッジの効いたあの歌声。で、ロックだけじゃなく、どんなジャンルの音楽でもちゃんと表現できる才能。だから、今回の「odd:I」をどう響かせてくれるのかも楽しみだったんですよ。

ーその「odd:I」、仕上がりにはどんな印象を?

これまで岡野さんとご一緒してきた楽曲は、ミドルなモノでもリズムは立っていて、壮大に歌ってもらう、ちょっとロックの要素も感じるような内容だったんですけど、今回は今まででいちばんバラード寄りの楽曲になっていて。そこで岡野さんがどんな歌声を聴かせてくれるのかと思っていたんですけど、どのパートも改めて「さすがだな」と感銘しつつ、今までの岡野さんと創ってきた楽曲とは違ったサウンドに仕上げてもらえたなと感じました。あと、今回は作詞でSennaRinにも参加してもらっていて、彼女の歌詞の独特な世界観、普段はそれを彼女が歌うのがあたりまえなんですけど、逆に作詞家として関わり、それを岡野さんが歌うことでどんな化学反応が起きるのか。そこも新たな試みだったんですけど、しっかりこの曲の世界を広げてくれましたね。

ー『七つの大罪』も澤野さんにとって縁深い作品になっていると思うのですが、どんな思い入れがあったりしますか?

『七つの大罪』ってアニメ化されてから来年で10年経つんですけど、最初に関わった頃はそこまで長く続く作品になるとは思っていなかったので。それは『進撃の巨人』も同じなんですけど、これだけ長い付き合いとなった作品のひとつの完結編。次から新たなシリーズが始まるので、物語の区切りを飾る感覚で今回の主題歌「odd:I」は書かせて頂きました。

ーでは、最後に、澤野さんの今後の展望について伺いたいのですが、どんなモードで音楽活動をしていきたいと思っていますか?

最初の話に繋がるんですけど、作曲家、プロデューサーとしての自分をどれだけ確立していけるか。そこが大事になってくるのかなと思うので、[nZk]もそうですし、SennaRinやNAQT VANEもそうですし、まだ詳細は話せないんですけどアーティストに楽曲提供する機会も頂けていますし、そこで自分がどういうプロデュースワークや歌モノのアプローチをしていけるか、またその活動の幅を広げていけるか、というところを意識して活動していきたいなと思っています。ただ、そっちをやるから劇伴はやらないという話ではなくて、劇伴は自分の中で歌モノにはない楽しさや刺激をいつも感じさせてもらっているので、今後も「やっぱり澤野の劇伴は面白いな」と思ってもらえる作品をちゃんと創っていきたいですね。



<リリース情報>



映画『七つの大罪 怨嗟のエジンバラ 後編』主題歌
「odd:I」by SawanoHiroyuki[nZk]:Akihito Okano(ポルノグラフィティ)
Music by Hiroyuki SAWANO
Lyrics by 茜雫凛
配信URL:https://sawanohiroyuki.lnk.to/odd.I
2023年8月8日(火)より配信開始

澤野弘之オフィシャルサイト:http://www.sawanohiroyuki.com/
SawanoHiroyuki[nZk] オフィシャルサイト:http://www.sh-nzk.net/
ポルノグラフィティオフィシャルサイト:https://www.pornograffitti.jp/

Rolling Stone Japan 編集部

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