Aile The Shotaが語る、愛とエゴの「境界線」、J-POPへの真摯な想い

「シーンの垣根なく」を考えた

―Zepp Yokohama公演は、ダンスクルーのGANMI、Dot.、さらにJs Morgan、Kia Vella、そこにデビュー前に一緒に曲を出していた無雲もゲストとして登場して。今の世の中、みんなに降り掛かっている問題が山積みだからこそ、手を取り合っていかないといけない、罵り合ってる場合じゃない、奪い合ってる場合でも戦い合ってる場合でもない――そういう面でも、これからの時代における他者への愛のあるべき形をひとつ見せてくれたように思いました。

まさに客演を呼んだセクションは「シーンの垣根なく」ということを考えていましたね。Aile The Shotaの今の立ち位置を考えたときに、Aile The Shota自身がもう一段階上がって呼ぶ側にならねばと思うようになりました。今の位置で自分を突き詰めながら、フィールしてくれる人を呼ぶ。もっともっと自分がシーンの真ん中にいって、「Aile The Shotaに呼ばれた」ということが箔であるようなところにまでいかないとなという感覚になりました。後輩という立場のKia VellaとJs Morganを呼んで、僕の大事なルーツである仲間の無雲を呼んで、ダンスカルチャーを引っ張り上げたいというマインドからGANMIとDot.も呼んで。力を貸してもらってるけど引っ張り上げたい、という相互関係が誰に対してもあったので、いつもと違う責任感を感じてめっちゃ緊張しましたね。でもシーンを引っ張るという意味での客演の呼び方はできたかなという気がします。RADWIMPSとZORNが一緒に曲やっているのを見ても思いましたけど、ああいうのがしやすくなった時代だと思うので。そういうアーティストになりたいなって思いますね。

―GANMIと新曲をやったのもスペシャルだったし、Dot.と一緒に「DEEP」を歌いながら踊ったシーンもめちゃくちゃよかったです。

いやあ、嬉しい。ダンサーに自分の曲で踊ってもらうのは、ダンスカルチャー出身者としては夢みたいなことなので。Dot.にはバッチリかましてほしいなと思って、今回のためにDot.ダンスショーケース用の音源をHIRORONさんと僕で作ったんですよ。ダンサーにしっかりフォーカスがあたるようにしたくて。だからDot.ショーケースの湧き方すごく嬉しかったです。「ダンスイベントかよ」って思うくらい、歓声がとんでもなくて(笑)。めちゃめちゃいいじゃんって思いました。



―ジャンルとか育ってきた環境を超えて手を取り合っていくことの姿勢を、音楽的な技術と振る舞いからも見せてくれるのがAile The Shotaなんだなと思います。

僕とライブを観てくれている人のあいだにも、客席で隣になった人同士にも、共通項は絶対にあるから。僕がフィーチャリングしたいアーティストとも、育った環境が違っても音楽が好きだとか音楽を通して何かを伝えたいという共通項があるからこそ、一緒にやりたいし。そこですよね。線を引かずに共通項とかを見つけることが、“境界線に愛はない”という言葉に込めたことだったりもします。線を引いちゃったらそれまでなので。そういうところが大事だなって、僕の活動のすべてにおいて思いますね。本当に“境界線に愛はない”という感じ(笑)。

―「No Frontier」の話からライブの話へいって、またきれいに「No Frontier」に帰ってきましたね。つまりは主軸がひとつ通っているということですよね。

そんな感じがします。次に出すEPで4部作が終わるんですけど、そこから「こういうアルバムを作りたいな」みたいなこともなんとなく構想中です。一緒にやりたいアーティスト、プロデューサーが多すぎてやばいなと思って(笑)。ここまでを無駄にしないようなアルバムにしたいなとは思いますね。



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