J-POPの歴史「1996年と97年、フジロック誕生、新しい存在や流れの台頭」

で、今日最後の曲は、そういう時代に日本のロックという旗を高々と掲げたバンドをご紹介しますね。THE YELLOW MONKEY。結成が88年です。92年メジャーデビュー。デヴィッド・ボーイとかTレックスとか、耽美的、退廃的、エロティックなロックですね。ビジュアル系もそういう耽美とか退廃っていうのは特徴だったんですが、そういう意味ではもっと日本の歌謡曲に寄っていた。97年1月発売、アルバム『SICKS』。病気という言葉と6枚目っていう数字がダブルミーニングになったアルバムですね。その中から「花吹雪」。



97年1月発売のTHE YELLOW MONKEY、6枚目のアルバム『SICKS』の中の「花吹雪」。「花吹雪」にしようか「人生の終わり (FOR GRANDMOTHER)」にしようか「紫の空」にしようか迷いました。「人生の終わり」は「血が泣いてるんだよ」っていうフレーズが衝撃だったのと、「花吹雪」は和風、桜ですよ。ロックがなかなか扱わなかったテーマをこんなふうに扱った。この曲を聞いたときに、東京キッドブラザースを思い出したんですね。彼らがニューヨークに乗り込んだときに、着物を着て、花吹雪の中でロックをやってた。わー日本のロックだと思ったのがこの曲でした。

彼らで思い出すのが、7月26日、富士天神山スキー場、第1回フジロック。そこで演奏したのが「紫の空」だったんですね。イエモンの前がレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンで、その前がフー・ファイターズ。イエモンの後、トリがレッド・ホット・チリ・ペッパーズだった。台風直撃。僕はこのままだと帰れなくなると思って、レッチリの途中で帰りました。イエモンの最後は「悲しきASIAN BOY」。日本のバンドを背負ってましたね。フジロック7月26日、その前の日、7月25日に河村隆一を京都会館で見て、その帰りに寄ったんですね。だから途中から見たんですね。多分フー・ファイターズから見たんだと思うんですけど、イエモンを見に行きました。新しい始まりでしたね。

Rolling Stone Japan 編集部

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