SANADAが語る、温故知新のプロレス観、ハイスタから授かった「魂(スピリット)」

「モテる」プロレスラーに

―SANADA選手にはオーセンティックなプロレスを大事にしたいという気持ちがあるかと思いますが、ロールモデルとなった選手はいますか?

闘魂三銃士(武藤敬司・蝶野正洋・橋本真也)が好きだったので、モデルはそこですかね。

―武藤さんはSANADA選手がこの世界に入るキッカケを与えた存在でもありますね。

いい別れ方をしなかったので、多分嫌われていると思うんですけど(笑)。TNAから帰ってきたときの試合のバックステージでカメラの前で怒られていますしね。でも、離れてよかったとも思ってるんです。スーパースターとは離れた方がいい。ずっと子分のような見え方をしますし、だからこそ独立しないといけない。あっ、だからロス・インゴを辞めたのかも。

―確かに、いくらロス・インゴはみんな並列と言っても内藤選手の存在は大きいですよね。

内藤哲也の顔が出てくるじゃないですか。鷹木さんがベルトを獲っても、プロレス大賞MVPを獲っても内藤哲也のイメージが強い。自分は本当の意味でトップに行きたかったので脱退しましたね。

―でも、SANADA選手のスタイルは新しいチャンピオン像の可能性がすごくあると思うんですよね。

ありがとうございます。まだまだ発展途中ですけども。

―それこそIWGP世界ヘビー級王座の防衛戦もイレギュラーだったと思いますし。

そうですね、相手が全員後輩なんですよ。これはきっと会社が俺の「新しい景色を見せる」ということに便乗してると思うんですよね。洗脳されている気がする。だからG1も32人もエントリーして新しいことに挑戦してる。絶対俺の真似だと思うんですよね。

―防衛の3試合はいかがでしたか? 特殊な戦いだったと思いますが。

これは悪い言い方になってしまうけど、自分が勝っても格上げになりづらいシュチュエーションですよね。

―確かに相手は勝てば大金星と言われる試合。ネガティブなプレッシャーはなかったですか?

向こうにはメリットがあるんですが、こっちは勝っても「そうでしょうね」で終わる。でもプレッシャーはありませんでした。これはもう楽しまないとダメだなと思ってやっていましたね。

―団体としては、近年全日本、NOAHとの交流も盛んになりましたね。

あんまり好きじゃないんですよ、頻繁にやるのが。たまにやるから面白いのであって、普通にやっていたら他団体とやる意味がないと思うんです。今回のG1にもNOAHから来ますけど、自分の中では対抗戦という雰囲気はなく、G1という括りの中でのいち選手としての戦い。

―清宮(海斗)選手への興味は?

興味は、英語で言う「so-so」みたいな(笑)。日本語で言うと失礼になっちゃうので。

―それこそ武藤さんに最後、可愛がられていて、シャイニングウィザードも引き継いでいますが、そういった武藤遺伝子みたいなところで言うと?

最後だけなので、あまり感情移入はできないですよね。自分の方が武藤さんとのストーリーがあるし、深みは自分の方があると思いますね。

―清宮選手を含め、今回のG1のAブロックはイレギュラーだった防衛戦のような流れと似ていますよね?

そうですね、全員後輩ですね。

―勝って当たり前の状態で試合をすることに関してはいかがですか?

令和闘魂三銃士には期待していますね〜。マジで期待しています。未来の新日本プロレスなので。

―格の違いを見せるつもりでいる?

そうですね。あの世代はまだ色気が足りないんですよ。まあ、キャリア的にはしょうがないんですけども。そこの差を感じますね。試合の上手さとかより大事なような気がするんですよね、色気が。気を引くというか。だからあの世代にはモテるやつはいないんだろうなって。

―面白い。

多分、モテないですよ!


Photo by Mitsuru Nishimura

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE