性的暴行疑惑のケヴィン・スペイシー、「性的いじめの加害者」とイギリス検察官が一刀両断

ケヴィン・スペイシー被告(DAN KITWOOD/GETTY IMAGES)

ロンドンで始まった性的暴行裁判の冒頭陳述で、検察官はケヴィン・スペイシー被告を「評判と名声で得た権力や影響力を濫用した」「性的いじめの加害者」と一刀両断した。

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ニューヨークタイムズ紙をはじめ複数のメディアが報じているように、待ちに待った公判は6月30日(金)に幕を開けた。クリスティーン・アグニュー検察官は陪審員に向かって、被告に対する容疑を説明した。スペイシーが問われている12件の容疑はいずれも男性4人の告発に端を発するもので、4人とも被告から一方的に迫られ、接触されたと主張している。また1度は同意なくオーラルセックスに及んだとみられる。スペイシーは無罪を主張し、全面否認している。

アグニュー検察官は、スペイシーが「他者を無力な状態にし、居心地悪くさせることに喜びを感じる人間」と主張した後、「相手男性の股間を激しくわしづかみにする」のが被告の「好んだ暴行の手法」だったと述べた。スペイシーは「望んだ時に、望んだ相手を」手にかけたとアグニュー検察官は言った。

「いずれの男性も、ケヴィン・スペイシー・ファウラー被告からの性的接触を望んでいませんでしたが、被告は彼らの感情などお構いなしだったようです」とアグニュー検察官。「被告は個人的な性的快楽のために、好き放題やっていたのです」。

アグニュー検察官は4人の告発者の主張(2001~2013年に起きたと見られる出来事)も詳しく説明した。ヴァラエティ誌によると、1人目の男性はロンドンのオールド・ヴィック劇場の公演でスペイシーと共演し、知り合ったという。その男性も役者だったが、スペイシーから頻繁に性的発言や不適切な接触を受けていたそうだ。告発男性はパーティに向かう途中でスペイシーから股間を握られた後、最終的に役を降板せざるを得なくなった。

他の2人も同じような主張をしている。1人はスペイシーから「痛みを伴うほどの力で」股間を握られたという。「そっちの気はありません」と言うと、スペイシーは「ただ笑い飛ばした」そうだ。

もう1人の男性は、パブで仲間と飲んでいた時にスペイシーと出会った。スペイシーは一行を自宅に招いた後、男性に抱きついて首元にキスし、「心配ないよ」と言って股間を掴んだとみられる。その男性はすぐに父親に迎えにきてもらった。男性の父親もその時のことを覚えていて、スペイシーに盾突くのは「不可能だろう」と息子に語ったそうだ。

Rolling Stone Japan 編集部

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