性的暴行疑惑のケヴィン・スペイシー、「性的いじめの加害者」とイギリス検察官が一刀両断

最後の告発男性はオーディションでスペイシーと出会い、大先輩として尊敬していたという。一緒に飲みに行った後2人でスペイシーの自宅に向かったが、男性は「すっかり舞い上がっていた」と自分でも認めている。男性は眠りに落ちたが、数時間後に目を覚ますと、スペイシーが自分にオーラルセックスをしていたという。男性がやめてくれと言うと、スペイシーは男性に出ていけと命じ、誰にも口外するなと言ったそうだ。

冒頭陳述の際、アグニュー検察官はスペイシーの信望と名声に言及し、このような注目の裁判に関わることになった陪審員は「スターを前に舞い上がり、圧倒されている」だろうと述べた。だが「地に足をしっかりつけ、宣誓に忠実に従ってください」と検察官は陪審員に呼びかけた。

イギリスでは被告側が冒頭陳述をすることは珍しいが、スペイシーの弁護人を務めるパトリック・ギブス・KC氏にも手短に陪審員への発言が認められた。同氏はスペイシーが容疑を「全面否認」していることを改めて強調し、「悪意による勝手な想像は何か? でっちあげや歪められた点は何か?」じっくり検討するよう陪審員に求めた。

さらに弁護士は「おそらく皆さんはこの後、いくつかの真実を耳にすることでしょう。また中途半端な真実や、意図的な誇張、忌々しい嘘も耳にすることでしょう」と続けた。

ここ数年、スペイシーには数々の性的暴行や不適切行為の容疑がかけられてきたが(いずれも本人は否定)、これまでのところ刑事・民事いずれも罪には問われてない。昨年10月にはニューヨーク州の民事訴訟で大勝利を収めている。この裁判ではアンソニー・ラップ氏が性的不適切行為でスペイシーを訴えていたが、暴行に対する法的責任はないとの判決が下された。

それ以前にも、2019年にマサチューセッツ州とカリフォルニア州で刑事・民事裁判が取り下げ、または棄却されている。マサチューセッツ州の訴訟では、原告が憲法修正第5条を行使したために訴えが取り下げられた。カリフォルニア州の訴訟は、原告が自然死したために棄却された。

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from Rolling Stone US

Rolling Stone Japan 編集部

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