シンガーズハイが語る、矛盾点から生まれる人間臭さ バンドで目指す意外な目標

シンガーズハイ

2020年に結成、去年リリースしたシングル「ノールス」がTikTokで話題を集めたことで一気に音楽シーンにおいて注目を集めた4人組ロックバンド・シンガーズハイ。

彼らは、ロック、ダンス、シューゲイズ、ヒップホップなど幅広いジャンルの音楽をシームレスに縦断しながら、唯一無二のポップスを体現している。ボーカル・内山のハイトーンボイスと骨太なバンドサウンドに加え、ヒリヒリとしたリアルを綴る歌詞も彼らの魅力の一つだ。そんなシンガーズハイがNEW EP『DOG』を5月24日にリリースした。今回のインタビューでは、本作に込められた想いや思い描くバンド像について等、メンバー4人揃い踏みで語ってもらった。

【動画を見る】大きな話題を集めた 「ノールス」 MV

ー去年リリースされたシングル「ノールス」がTikTokやYouTubeなどSNSで話題になっていますよね。この曲がリスナーの間でどういった受け止め方をされてバズを巻き起こしているのか、本人としてはどうお考えですか?

内山ショート:僕が音楽を作る上で一番いいなと思う音楽が、「次にどんな曲が出るんだろう」って未来に対してワクワクさせてくれるような音楽だと思っていて。「ノールス」は、最近のトレンドの音楽をしっかり聴いた上で、ノリの良いビートに強めのコーラスワークが乗っかったサウンドの音楽を意識して作りました。個人的には「こういう曲が好きなんでしょ?」ってつもりで作った曲だったので、狙った通りに伸びてくれて嬉しかったです。ファンの子の中には僕らに対する愛故に「「ノールス」がTikTokでバズってあまり嬉しくない」とか「「ノールス」だけしか知らないくせに」みたいにマイナスなことを言ってしまう子もいるとは思うんです。でも今の時代に音楽をやっているバンドとしては、むしろそういったトレンドとなる音楽にもフォーカスを当ててやっていかないといけないと思っているんですよね。そういう意味では、時代にちゃんと乗っかった上で音楽をやれているのはすごく嬉しいことだと思っています。

ー最新のヒットチャートやトレンドの音楽をインプットした上でアウトプットしていった曲が「ノールス」だったんですね。

内山:音楽もファッションと似たようなもので、時代が1周することでトレンドも1周するというか。例えば最近の音楽のアプローチでよくあるオクターブのコーラスとかは、一昔前にクラブサウンドにあったなと思い出して。単純に僕がそういう乗れる感じの音楽が好みでもあるんですけど、時代の流れと僕の好みがたまたま合致していたのかもしれないですね。

ーシンガーズハイの曲を聴いた感想として、サウンドの面ですごく今の世代にハマる要素やビートに乗れるクラブサウンドっぽい要素があると同時に、キャッチーなメロディーから平成の邦ロックバンドを思い出すような懐かしい感触を覚えました。そこら辺のバランスは何か意識して曲を作られているんですか?

内山:音楽性、ジャンルの流行り廃りは時代によって流れていっているとは思うんですけど、僕個人が1番音楽として良かったと思っているのは平成の邦楽なんですよね。平成のメロディーはとにかく僕たち世代にはすごく刺さるものがある。そういう意味では曲を作る上でメロディーはやっぱり1番重点を置いて作っていますね。

ー具体的にはどういった平成のバンド、ミュージシャンを聴いていたんですか?

内山:ポルノグラフィティ、B'z、スピッツ、あとはGReeeeN、FUNKY MONKEY BΛBY'Sとかは小学生の頃から擦り切れるほど聴いてきましたね。

ーそういった平成の音楽に影響を受けたキャッチーでポップなメロディラインとは対照的に、歌詞ではネガティブで悲観的なリアルの部分を歌っていますよね。

内山:歌詞に関しては誰に影響を受けたのかって言われると思いつかないですけど、僕は昔から根っからの偏屈な子だった気がします。今は別にそんなことないと思っているんですけど、作曲する上で当時抱いていた「怒り」とかがメインのエネルギーになったりすることはありますね。そうなると口をついて出てくる言葉が自然と口が悪くなっちゃうことが多いです(笑)。

Rolling Stone Japan 編集部

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