『LAPOSTA 2023』考察 チームLAPONEを支える多様な「個性」

ユニットタイムで浮かび上がった新たな可能性

続いて設けられた楽曲シャッフルパートは、その事実をより鮮明に描き出していた。「やんちゃBOY やんちゃGIRL」を歌い踊るDXTEENは、自分たちの曲を歌っているのかと錯覚するほどとても自然体で、彼らの持つ“青春”というコンセプトが楽曲と噛み合うと相乗効果を発揮することを示していた。キャッチーで爽やかなナンバーの良さを活かせるのは、DXTEENの強みである。また、「CALL 119」をパフォーマンスする場面では、力強くエネルギッシュな面も覗かせる。本来は11人に割り振られたハードなダンスや歌割りを、自分たちらしく咀嚼しひとつの演目として完成させることのできる胆力も彼らの強みなのだ。

「Shine A Light」をカバーするINIに感じたのは、ブライトなイメージを軽やかに表現するバイタリティである。高音をパワーで押し切ることなく抜いて歌えるスキルを持ち、なおかつ声の質が総じて明るい。また、ダンスは一定のラインまできっちりと揃えるものの、個々の表現の余白をたっぷりと取っているのも特徴のひとつである。


INI(Photo by 田中聖太郎)

また、JO1は力強くハードな楽曲を任せたときの安定感が凄まじい。ダークでタフな「BOMBARDA」を歌い上げる声は密度が高く、曲の持つ妖しさも色濃く表現。統一されたジャンプの高さや手の角度は、彼らがシンクロダンスを突き詰めてきた証といってもいいだろう。三者三様の個性は、それぞれのグループが越えてきた日々が、しっかりとグループのカラーとして定着していることを物語っていた。

折り返し地点では、各々の個性を活かしたユニットタイムが設けられた。Mrs.GREEN APPLE「青と夏」や8LOOM「Melody」のカバーなどが並ぶなか、印象に強く残ったのは以下の3つ。

1つ目は、JO1の大平祥生・川西拓実・INIの田島将吾によるJO1「Born To Be Wild」のビートジャックだ。レトロファンクスタイルのベースラインとリズムが特徴的なナンバーに余裕綽々でオリジナルのフロウをかます姿は、彼らの新たな可能性を感じさせた。

2つ目は、JO1の川尻蓮とINIの木村柾哉によるダンスパフォーマンスの「Remains」。『2021 MAMA』で披露されたダンスコラボが再び実現したという点だけでも興味深いが、今回は尺も長くなり物語要素の強い作品に進化し、ダンスをより芸術として昇華していく流れも期待できそうな構成となっていた。

そして、3つ目はJO1の豆原一成とINIの西洸人による「LAPOSTA 2023 Exclusive DJ Mix」だ。西がDJを務め、豆原はサンプラーを用いたドラミングを披露。「La Pa Pa Pam」や「Dramatic」といった楽曲を繋ぎ、オーディエンスを煽り、会場を盛り上げていった。それぞれがグループ加入前から持っていた特技を活かしながらも、新たなことに挑戦し可能性を広げ続けていることをユニットタイムは物語っていたのである。

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