「海外ロック好きだった少年が大人になって作った日本のポップス」—johnさんのルーツには、音楽に限らず海外のポップカルチャーからの影響もあるんでしょうか?今に活かされているかっていうと微妙なんですけど、ボブ・ディランとかビートルズはめっちゃ聴いてました。あとはボーイズ・タウン・ギャングの「君の瞳に恋してる」とか、いわゆるレトロな洋楽のポップスは好きです。「ウィーアー・ザ・ワールド」に出てくるようなアーティストの曲というか。そこらへんはインプットになってるかもしれないです。でも洋楽をがっつりディグることってなくて、どちらかっていうと日本の歌謡曲を、50年代から90年代、2000年代、2010年代ってできる限り聴いていたので、そこらへんがルーツになっていますし、その時代の人たちがルーツにしてた海外の音楽が好きですね。桑田佳祐さんのアルバムを聴いた時に面白い曲があるなと思って調べたら、ビートルズのリスペクトだってことを知ってビートルズを聴く、とか、スガシカオさんの曲を聞いて、ファンクを意識してるって言ってたらそれを聴く、みたいなことをやってますね。
—なるほど。すごく納得です。海外ロック好きだった少年が大人になって作った日本のポップスが好きなのかもしれないですね。エレカシ、斉藤和義、山崎まさよし。それを僕はボカロ文化っていう今のセンスとのミクスチャーでアウトプットしてるんだと思います。
—johnさんが昔の楽曲に惹かれるのはなぜだと思いますか?日本人って絶対、演歌の血が流れてると思うんですよね。その演歌から引き継がれた歌謡曲って、日本人が本能的にいいなと思うものなんだと思います。僕は90年代の頭って生きていないですけど、当時の曲をCD屋でレンタルして聴くといい曲だなって思うし、売れた曲ってオーラでわかるんですよ。そういうのは日本人の血に流れているものだと思うので、それを僕が作れば、今の若い子たちにも本能的にいいものだって思ってもらえると思うし、逆に当時の歌謡曲を聴いてた年齢の方には懐かしいと思ってもらえるんだと思います。
—TOOBOEのライブに来てくれるファンは若い層が多いんですよね。そんな人たちにとって新しいと思ってもらいたい。でもその子たちも、自分が生きてない時代の曲でもメロが懐かしいってわかると思うんですよ。なんで懐かしいか言語化できる話ではないんですけど、本能的なものがあるんだと思います。僕もそれが好きだからやってるって感じですね。
—DNAレベルで反応するものがあるのかもしれないですね。僕は絶対あると思ってます。
—そう言われてみると、ボーカロイドの曲ってメロディが和風な印象を受けます。多いです、多いです。
—そういう旋律が日本人の哀愁に刺さるのかなって、いま言われて気づきました。日本語にも相性がいいのかもしれないですね。
—そうですよね。今後はTOOBOEでどういった表現をしていきたいですか?お仕事は好きなので、引き続きお仕事をもらえるよう頑張りつつ、今はまだメジャーになってからの名刺ができてない印象をツアーで感じたので、そこを頑張りたいです。「美味しい血液」ってワンマンをやっても、売ってるものって去年出したインディーズのアルバムと「錠剤」のEPくらいなので、「これがメジャー以降のTOOBOEだ」って言えるものを作り上げることが今年の目標ですね。願わくばそれを携えて来年ツアーとかができればいいなって思います。今回たくさんの気づきがあったので、今回のツアーをTOOBOEのライブのひな形として、次はポップスっぽくやるか、ロックみたいにやるか、ファンクみたいな感じにやるかって、カスタマイズできるようになったと思います。
—これから場数を重ねていって、バンドはバンドとしての見せ方ができそうですね。そうですね。TOOBOEバンドとしての意識はもうみんな持っているので、これからもっとバンド然とした表現ができればいいなと思ってます。
<INFORMATION>
Digital Single
「浪漫」
TOOBOE
MASTERSIX FOUNDATION
配信中
M1. 浪漫
M2. SOSをくれよ
配信リンク:
https://TOOBOE.lnk.to/romanIn