Rockon Social Club、初ワンマンで魅せた破格の“新人バンド”としての風格

Rockon Social Club

男闘呼組メンバーを中心に結成されたRockon Social Clubが、2023年5月6日(土)に東京ガーデンシアターで初ワンマンライブ「KURE 5-56 PRESENTS ROCKON SOCIAL CLUB 1988」を開催した。本イベントのオフィシャルレポートを掲載する。

【ライブ写真】Rockon Social Club、記念すべき初ワンマン(全10枚)

東京ガーデンシアターに詰めかけた満員のオーディエンスの熱気をオペラで有名な「カルメン」組曲の「ハバネラ」が高めていく。と、突然壁を打ち破るような歪んだギターが響き、「Rockon Social Club」のヘヴィなサウンドに乗せてメンバーがステージに登場した。

この日は、デビューアルバムがすでに大きな話題となっているRockon Social Clubの記念すべき初となるワンマンライブだ。初ワンマンにしていきなり8000キャパのベニューをソールドアウトしてしまうとは、やはり破格の“新人バンド”と言える。



「Foxy Lady」「Rolling Thunder Baby」と、初期衝動に突き動かされた剥き出しのロックナンバーを立て続けに演奏してオーディエンスを盛り上げる。Rockon Social Clubの大きな特徴のひとつとして挙げられるのが、全員で歌うということだ。特に、高橋和也(Ba)、成田昭次(Gt)、岡本健一(Gt)のフロント3人による歌い分けは、それぞれの声の特質も存分に味わえ、楽曲にスペシャルな色付けをしている。

「今日からRockonの新たな旅が始まります!」という高橋の宣言とともに、次のブロックでは、今回のライブのためにアレンジを用意した、新しいカバー曲3曲を立て続けに披露し、「BACK IN THE CITY」では挨拶がわりにメンバーが短くソロを回していく。岡本健一、前田耕陽(Key)、成田昭次、Devin Kinoshita(Key)、寺岡呼人(Gt&Ba/プロデューサー)、高橋和也、青山英樹(Dr)と小気味良くつないだ。今回はそこにホーン隊が加わった豪華布陣でのセッションが実現した。

null

フロアの熱気を鎮めるように前田耕陽のピアノが響く。叙情的なソロプレイに続いて披露したのは「ANGEL」。こちらも新曲だ。「なんか新しいバンドが始まったって感じしない?」と曲終わりに高橋が言ったとおり、深い絶望の淵から立ち上がろうとする歌詞世界が心に響く。次にパフォーマンスした、アルバムに収録されている「Love Again」と合わせて、活動がストップしていた30年という年月による断絶が一気に塞がっていくようだ。

Rolling Stone Japan 編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE