SKY-HI×SOIL社長が語る、BMSG POSSEがジャズフェスに出演することの意義

 
BMSG POSSEがジャズフェスに出演することの意義

—お二人は今回、ラブシュプの2日目に「SKY-HI & BMSG POSSE with SOIL&"PIMP"SESSIONS」として出演するわけですが、「BMSG POSSE」としてジャズフェスに挑戦する意義というのを、SKY-HIさんはどのように考えていますか?

SKY-HI:さっき社長がお話してくださったように、BMSGはストリートに根差したものから派生しているというのを大事にしていて。よくある芸能事務所だと、売れるとか有名になることをまずは重要視しているというか、それはそれで正義だとも思うんですけど。自分のところに集ってくれた方々は、それよりも音楽的に成長したい、音楽的に何か成果を残したい、カルチャーを紡いでいきたいっていう人が多いので。

そう考えたときに、(ラブシュプに)参加したら面白くなりそうだなと思って。こういう挑戦を楽しんでくれる人がたくさん集まってくれているのはいいですよね。「こんな素敵な並びで、SOILと一緒に出演できるんだ! 嬉しいな、がんばろう!」みたいな(笑)。音楽的好奇心が強いのと、音楽を愛して一生懸命やるのを尊いこととして取り組んできてるから、「いやー、そんな自分たちが……」と変に引っ込むこともないですし、本質的な部分を感じられる方が揃ってるのは確かなので。いいものになるという気がすごくしました。



—今回出演するShowMinorSavageのメンバー、Aile The Shotaさんは2年連続の出演。昨年のステージも盛り上がってましたし、アウェー感が全くなかった気がします。

SKY-HI:Shotaは(昨年1月デビューで)あの日が初フェスだったんですけど、ステージ上で緊張とか気後れとかもせず、すごく楽しそうで初感はなかったなと。音響トラブルが若干あったと思いますけど、特に焦ることもなく、かといって無責任でもなく、しっかりとステージをやっていたのがすごく印象的でした。

あれから1年経って、そういう持ち味がより強くなってきていて。音楽が好きっていうのは去年の段階から強く感じていたんですけど、音楽への依存度みたいなものがどんどん高くなってきてるんですよね。だから、こういう本質的なカルチャーを背負ったフェスに出演することで、もう一皮剥けてくれる気がして楽しみです。


昨年のラブシュプにて、Aile The Shota feat. SKY-HI



—REIKOさんについてはいかがでしょう? BMSGのトレーニーとして様々な現場やコラボを経験させたり、SKY-HIさんも大切に育ててきた印象です。それだけ歌も抜群に上手いですし、ポテンシャルが感じられる方ですよね。

SKY-HI:そうですね。REIKOもあの年齢にして、聴いてるものが本当に広くて深くて量も多いですし、自分がプレイヤーだって意識も最近は備わってきているので。あとはシンガーとして耳がいいっていうか。演奏をしっかりと聴いて体で表していくという、アーティストとしての基本でもあり志向でもあることに対しての意識も強く持っている。SOILの演奏でREIKOの歌を聴けるのは自分も楽しみですね。



—社長はSOILとして、BMSGのステージをどんなものにできたらと考えていますか?

社長:本当に責任重大ですし、繊細に考えなければと思っておりまして。フロントに立っていただく皆さんが、気持ちよくパフォーマンスできるような演奏をするのはもちろんなんですけど……誤解を恐れずに言うと、意地悪な見方をされてしまう一面もあるかもなって。

SKY-HI:そうなんですよ。

社長:「テレビに出てる人」みたいなバイアスがかかってしまったところからのスタートと言いますか、そういう見方をする方もいらっしゃるかもしれない。そういったオーディエンスに対しても、純粋にそこで鳴らす音で納得させなければいけない。だからこそ、しっかり届けられるようなプレーで支えたいですね。それはアレンジだったり、もちろん演奏のクオリティもそう。どこに出しても恥ずかしくないステージにできたらという想いがあります。

SKY-HI:こういう場をいただけるのはすごく有難いというか。日本ではテレビも含めたポップカルチャーと、カルチャーの本質的な部分が長いこと乖離していたような気がしていて。その両方でやってきた人間として、物凄くストレスを感じていたんですよね。だからこそ、質実剛健であることを大事にしたいですし、楽しみながらがんばりたいと思ってます。

—当日はSKY-HIさんもパフォーマーの一人として出演すると思いますが、そちらに関してはどのように考えていますか?

SKY-HI:2つありますね。まずはこの2年間、音楽が好きな若者として(BMSGのメンバーと)知り合ってきたけど、それぞれバラバラなキャリアの積み方をしてきたので。気持ちを一つにするハブ的なポジションが必要だと思うので、極力ステージから降りないようにするつもりです。社長が(SOILの)ステージ上でやっているように、マイク持ちに徹していく必要があるかなと。もう一つは、いざ自分のヴァースになったら思いきり振り切ってやろうって。それも楽しみとしてあります。


Photo by Tamami Yanase 

—BMSG POSSEのステージがますます楽しみになりました。ちなみに、今年のラインナップで特に気になるのは?

SKY-HI:まずはディナー・パーティーですよね。

社長:今年もいるかぁ、グラスパーみたいな(笑)。でも今回はテラス・マーティンとカマシ・ワシントンも参加しているプロジェクトなので、昨年のステージとはまた違うものになるんでしょうし、どんなアウトプットしてくるんだろうなって。去年だってヤバかったもんね。

SKY-HI:ヤバかったですね! 特にグラスパーの場合、編成によって全然違うアーティストみたいになるから。単純に楽しみっていうのもあるし、どれだけ輝かしいキャリアを築いてきても、本人たち的にまだやりたいことが尽きずにあるというのは、プレイヤーの先輩としても、音楽ファンとしても純粋にワクワクしますよね。



—では最後に、今年のラブシュプをどんなふうに楽しんでほしいですか?

社長:Love Supreme Jazz Festivalっていう名前が示す通り、ジャズへのリスペクトしかないフェスなんですよね。そこにはレジェンドの音、現在進行形の音、それらを繋ぐDJたちの音がある。この3つの柱がラブシュプの面白いところだと思います。で、それらの表現が山の中で、あの気持ちいい空間で、2日間ずっと鳴り続ける。そこでしか生まれない音楽、奇跡みたいな瞬間がたくさんあると思いますし、且つ敷居が低いっていうね。いいところしかない場所になると思うので、ぜひ現場に足を運んでいただきたいです。

SKY-HI:本質的なフェスであることは間違いないし、フラッと遊びに行くこともできる。どれだけ音楽的探究心が深い人でも開放的になれるはずだし、詳しくないけど音楽が好きっていう人も、音楽的な栄養を五感全部で味わえる。とても素敵な野外フェスだと思います。




『LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL JAPAN 2023』
日程:2023年5月13日(土)、5月14日(日)12:00開場 / 13:00開演(予定)
会場:埼玉県・秩父ミューズパーク

出演
5月13日(土)
【THEATRE STAGE】
GEORGE CLINTON & PARLIAMENT FUNKADELIC with Special Surprise Guest/DOMi & JD BECK/AI, bird, 家入レオ with SOIL&"PIMP"SESSIONS/Answer to Remember with HIMI, Jua
【GREEN STAGE】
ALI/海野雅威 with Special Guest 藤原さくら/4 Aces with kiki vivi lily/OPENING ACT : MoMo
【DJ TENT】
荒田洸(WONK)/SHACHO(SOIL&"PIMP"SESSIONS)/柳樂光隆(Jazz The New Chapter)/Chloé Juliette

5月14日(日)
【THEATRE STAGE】
DINNER PARTY FEATURING TERRACE MARTIN, ROBERT GLASPER, KAMASI WASHINGTON/SKY-HI & BMSG POSSE(ShowMinorSavage - Aile The Shota, MANATO&SOTA from BE:FIRST/REIKO) with SOIL&"PIMP"SESSIONS/Blue Lab Beats featuring 黒田卓也, 西口明宏 with 鈴木真海子(Chelmico) , ARIWA(ASOUND)/Penthouse with 馬場智章
【GREEN STAGE】
Kroi/BREIMEN/馬場智章/OPENING ACT : soraya
【DJ TENT】
荒田洸(WONK)/SHACHO(SOIL&"PIMP"SESSIONS)/柳樂光隆(Jazz The New Chapter)/Chloé Juliette
※モノンクルは出演キャンセル。これに伴うチケットの払戻は行わない。

公式サイト:https://lovesupremefestival.jp

 
 
 
 

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