もふくちゃんと成田光春が語る、ディアステ&パーフェクトミュージック経営統合後の3年間

左から、もふくちゃん、成田光春(Photo by Mitsuru Nishimura)

さまざまなカルチャーへの「こだわり」と「偏愛」が強いエンタメ業界のキーマンに話を聞く、インタビュー新企画「ポストコロナの産声」がスタート。2020年に全世界を襲ったコロナ禍において苦境に立たされた音楽業界のスタッフたちは、価値観が変容していく日々の中でどのように過ごしてきたのか? そしてアフターコロナに向けてどう考えているのか? そうした中で感じたカルチャーの面白さや、この業界で仕事する醍醐味を赤裸々に語ってもらう。

記念すべき第1回目のゲストは、ライブ&バー「秋葉原ディアステージ」の立ち上げに携わり、でんぱ組.incやわーすた、虹のコンキスタドールなどのアイドルやPUFFYなど多くのクリエイティブ及び楽曲プロデュースを手がける音楽プロデューサーのもふくちゃん。そして、神聖かまってちゃん、バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHIのチーフマネージャーを経て、現在はパーフェクトミュージック統括でプロデューサーの成田光春。2社の代表に、2019年6月に経営統合を発表してからの3年間やコロナ禍のこと、この先の未来について自由に語ってもらった。

【写真を見る】もふくちゃんと成田光春

―ディアステージとパーフェクトミュージックが経営統合して3年経ちました。統合を発表したときは結構注目を集めましたけど、そこからいかがですか? もちろん、コロナの影響もあるとは思うんですけど。

もふく:どっちもめっちゃ会社っぽくなってるよね?

成田:そうそう。スケールメリットが出たというのは、間違いなくありますね。会社っぽくっていうのは、やっぱインディペンデントの動きをしてたところもあったので、それがもう少し法人的な組織にすごくなったなと。多分縦割りだったところが結構横割りにも変わってきたので、タイミングだったのかなっていうのはすごく感じます。

もふく:最初は雀荘から始まったんですよ。毎週末に私とか、 パーフェクトのスタッフの方々とかとずっと麻雀をやっていて1年ぐらいやっていたので仲良くなって、「統合しようよ」っていう流れになったんですよ。本当に音楽が好きな人たちが集まってる感じがあって、またディアステージのスタッフの感じと違う感じっていうのかな。最初の1年はカルチャーの違いみたいなのもあってわちゃわちゃしたけど、結果的にやっぱお互いの良いところをこの3年ですごく交換し合ったかなとは思いましたね。

―ご自分が立ち上げて育てた会社を、別の会社と一緒にするっていうところは抵抗はなかったですか。

もふく:それよりも、スタッフの人数感とか規模感とか、このまま行ってもすごく大きくなるっていうのって難しいなと思っていたんですよね。パーフェクトのみなさんはバンド回りとか音楽の話とか、すごくできることがあったので、単純に私は一気にスタッフが増えてやれることが増えるなという感じでした(笑)。まったくカルチャー感の違う人たちだったら、一緒にっていうのはないかなと思うんですけど、みんなボロボロの格好しながら、 タバコ吸って麻雀打ってるのを見てると、みんなお金とかよりもエンタメとかカルチャーを大事にしてる感じとか、そういうのが本当に好きなんだろうなみたいな。

成田:ははははは(笑)。

もふく:この業界ってどうしてもいわゆる芸能系というか、西麻布で飲んでますみたいな方々が多いじゃないですか? 芸能界で働くとか、音楽系で働くってなると、やっぱそっち系が多いとは思うんですよね。でも、パーフェクトの方々は中央線沿線組っていうか(笑)、新宿くんだりの安居酒屋で終わるぐらいの感じがカルチャー感的には、なんか良かったんですよね (笑)。

成田:中野、高円寺とかその辺とか(笑)。

もふく:そうそう (笑)。それはなんかやっぱり一番大事なポイントだったのかな。だから別に統合するのにそんなに怖さはなかったです。

―価値観が似てたんですね。バンドの世界だと、小さい事務所やプロダクションっていくつもあるイメージはあるんですけど、アイドルの世界だと、もふくさんみたいな考え方というか思想を持ってやってるプロダクションとか事務所ってあまりないですよね。

もふく:もともと、尖ったインディーレーベルとかの方が好きだったし、パーフェクトはどっちも持ってるっていう。アイドルもやってればバンドもやってるっていうので、感覚は近かったですよね。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE