ドラムンベース人気再燃の理由とは? DJカルチャーの変容と女性たちの活躍

ピンクパンサレス(Photo by Brent McKeever)

ドラムンベースのリバイバルが加速中。UK発ダンスミュージックの復活が象徴する、音楽とナイトライフにおける新たなアティテュードとは?

一部の熱狂的ファンの存在にも関わらず、アメリカでは長い間ドラムンベースがコアなエレクトロニックミュージックとして見なされており、ポップとの接点は皆無だった。だが過去数年の間に、同ジャンルはアメリカのみならず世界中で一気に注目を集めるようになった。アダム・Fのドラムンベースクラシック「Circles」をサンプリングした「Breal It Off」がヴァイラルヒットした英国のピンクパンサレス(PinkPantheress)や、アッパーかつセクシーなD&Bシングル「soft spot」がSpotifyで1200万回以上再生されているpiri等のアーティストが世に知られるきっかけを作ったTikTokが、同ジャンルのリバイバルに大きく貢献したことは疑いない。




しかし、それはあくまで要因の1つに過ぎない。DJの世界においても、ドラムンベースの人気はここ数年で急速に拡大した。「D&Bがかかることは珍しくないし、最近ではその頻度も増えつつある」。そう話すのは、NowadaysやGood Room等のクラブで定期的にプレイしているニューヨークのDJ Voices(Kristin Malossi)だ。「テクノ系のクラブのパーティーにD&BのDJがブッキングされる機会が増えたし、テクノDJの多くがD&Bをかけている」

その傾向はインドネシアやオーストラリアを含む世界各地で見られるが、アメリカでの加熱ぶりは群を抜いている。「満員のフロアがこれでもかってぐらい盛り上がっていて、すごく気持ちよかった」。2020年に公開した BBC Radio 1’s Essential Mixが同年の第1位に選出されたロンドンのDJ、Sherrelleはアメリカツアーを締め括ったニューヨーク公演の翌日にそう語った。「昔はアメリカでドラムンベースはウケないって言われてたけど、今は絶対にそんなことない」

Translated by Masaaki Yoshida

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