TAKUROが語る死生観、GLAYとして後世に残したい楽曲



流れているのは、この番組の後テーマ竹内まりやさんの「静かな伝説」です。こうやって最近の作品を軸にしてTAKUROさんの話をじっくり伺うと、改めてGLAYというバンドがいかに稀有なバンドかということがおわかりいただけたんではないかと思いますね。4人4様なんですね。本当に民主主義的なバンドである。2000年代まではそうじゃなかったですね。TAKUROさんの色が濃かった。GLAYといえばTAKUROメロディーというTAKUROさんの曲がイメージを作っていて、それをTERUさんが歌うっていうのがGLAYだったわけです。

日本のバンドのほとんどが、1人飛び抜けた才能の持ち主がいてその人の才能によって成り立っている。そういうバンドの限界を当時から誰よりも知ってたのがリーダーのTAKUROさんなんですね。最初のうちはアルバムの中に他のメンバー曲が入ってくるようになって、そういう人たちが自分で詞も書くようになって、2006年からは4曲入りのシングルを作り始めました。G4。4人4様ですね。令和になってからのアルバムは、TAKUROさんが主体ではあるんですけど、メンバーのTERUさんの書いたシングルとかが出てくるようになってきている。

そういう中で『The Sound Of Life』があったわけですね。TAKUROさんはTAKUROさんで全く自分の違う世界を表現として作り上げた。ここから他の3人がそういう1人1人の世界を作り始めていくとしたら、このスケールはどこまで広がるんだろう。でも4人で音を出す、4人でバンドをやることの楽しみを誰よりも知っているバンドになっている。今までにない前代未聞のロックバンドが、ここからまた始まっていくんだということを確かめられた、確信を持てた、そんな4週間だったと思います。ツアー、30周年楽しみです。



<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

Rolling Stone Japan 編集部

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