TAKUROが語る死生観、GLAYとして後世に残したい楽曲



田家:2月8日に発売になりました『UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY』のアンソロジーから「Father & Son」。アルバムは2002年に出たオリジナルアルバム『UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY』に入っておりました。当時31歳ですね。

TAKURO:さっきも言いましたけど片親だったので、3歳までの親父のおぼろげな記憶で曲を書きましたね。まだ自分自身独身でした。家庭みたいなものへの憧れがあって。GLAYをやってるのは一番はバンドが楽しいからなんだけども、その向こうには小さな幸せを積み重ねて生きていきたいっていう、それしかないんじゃないかと思います。大きな幸せというよりは本当に小さな「Father & Son」を地で行くような。昨日は休みだったので、箱根の神社にお参り行きたいって言うから行ったんです。わいのわいのと途中でお話をして最近の悩みなんか聞いて、俺も悩みなんか聞いてもらったりして。多分一生忘れないと思うな、あのドライブを。バンド云々とか音楽云々とかそういうことじゃなくて、ああいう日々の積み重ねが欲しかった。子供の頃から本当に喉から手が出るほど欲しかったものは、こういうことなんだっていうのをすごく感じる。

田家:『UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY』当時のインタビュー中に「このまま30代に入ってしまっていいんだろうかという気持ちからこのアルバムを作った」という話がありましたね。

TAKURO:いろんな意味で30って節目で。何度も言うけど、ヒット曲を作るということは総合力なので。よく当時同期ぐらいのミュージシャンはみんな悩んでいましたよね。解散するやつ多かった。20代後半の大人として成長していく時期に、足並みなんか揃うわけないもん。小さなスタジオで4小節をどうどうこうなんて言ったら気が合わないやつは出てくるわ、やる気も削がれるだろうし、それでバンドが解散していく中、自分たちは続けることを選ぶんだけれども、あり方として20万人ライブの次に22万人ライブなのか30万人ライブなのかって質問が飛び交うとき、どうもメンバーはピンときてなかった。自分たちはどう生きるべきか。ビートルズも俺たちが30代のときには解散していたし、それ以降のお手本となるバンドがなかなかいない中、GLAYはやっぱりGLAYらしく生きていくしかないなって。その頃かな、もうロックから学べることは全部学んだので、もう僕ら卒業しますみたいな気持ちでしたよ。今でもそう思うし。

田家:で50代になって、今年52歳。バンドは来年30歳になります。

Rolling Stone Japan 編集部

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