TAKUROが語る死生観、GLAYとして後世に残したい楽曲



田家:「Only One, Only You」もそうですけど、ギターバンドって感じじゃないですもんね。

TAKURO:ギターバンドって感じじゃないですね(笑)。

田家:でもGLAYっていう。

TAKURO:JIROが今70年代のR&Bに凝っているから、ギターはロックじゃなくてR&Bのアプローチでっていうリクエストがあったので、私達も頭抱えまして。自分たちの個性を失わないように、かつJIROのリクエストに応えられるように、その隙間をつきました。

田家:そういう4人4様感というのがどんどん強くなってくるでしょう?

TAKURO:種子を巻いて丁寧に育てて、まあ皆さんすくすくと。嬉しいわぁ(笑)。

田家:「限界突破」はTERUさんの詞曲なわけで、これもTERUさんっていうのがはっきりあるという。

TAKURO:TERUのポップなハードロック要素が強く出た曲ですね。

田家:ツアータイトルがあってこの曲になったんですか? この曲があってツアータイトルになったんですか?

TAKURO:これはストーリーがありまして。日の目が当たらない曲たちをやるというのもコンセプトなんですけど、「THE GHOST」を新たに書いてたんですよね。でもJIROの曲をもらったとき、GLAYの新しい新機軸を強烈に印象付けたいなと思ったので、「THE GHOST」っていうコンセプトの曲は捨てて、詞をJIROの方に当てはめて書き直して。JIROが打ち出すGLAYがもたらしてくれた新しい風みたいなものをファンの人に届けるためにツアータイトルにしようと。「The Ghost」と結ぶことによって、2023年のGLAYのあり方を強力に印象付けたかった。珍しく今年多分年に2枚出ると思うんです。何年ぶりかってぐらいに年2枚のシングル。

田家:エピソード2があるんですね。

TAKURO:それは来年の30周年に勢いづけるために、往年のGLAYと今のGLAYをゴーストって言葉で繋ぐ作品になると思います。

田家:なるほどね。ゴーストの中にはそういう“往年の”というニュアンスもあるんだろうなと思ったりもしたんですよ。

TAKURO:亡霊だとか、目に見えないけど確実にいるものとか。GLAYのいろいろある顔の一つが独り歩きしてるから、そうでないロックバンドとしてのプライドみたいなものもきっちりと見せつけていきたいなと。それをゴーストでまとめました。

田家:30周年はもっと違う形で。

TAKURO:どうなんでしょうね? 何より一緒に祝いたいって言ってくれるファンの人がたくさんいるから、その人たちの気持ちをまず最優先にしたいので、いろいろ考えます。HISASHIがHISASHIフェスやりたいって言っていたな。去年の夏のライブで、2024年フェスやりますって言って。それGLAYフェスじゃないからなって言って(笑)。そうやってTERUがヴェネツィアでやりたいとか、HISASHIがそういったフェスやりたいとか、そういう思いつきが実はめちゃめちゃ原動力だったり推進力になったりするのを知っているから、またそんな勝手なこと言ってと思いながら、俺もJIROもこの大喜利に素敵な答えを見つけてあげたいって気はしています。

田家:ここから始まるツアー楽しみにしています。

TAKURO:ありがとうございました。

Rolling Stone Japan 編集部

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