キム・ヒョンジュンが明かす、日本語でJ-POPを歌い続ける理由

ー日韓交流の象徴と言えば、キムさんもまさしくそういう存在になっていると思うんですが、今年は韓国と日本でそれぞれ新作をリリースしています。まず韓国では『MY SUN』なるニューアルバムを発表しました。こちらはどんな作品になったなと感じていますか?

僕にとって世界を照らす太陽のような存在は何なのか考えたとき、それは僕の父や息子。そして、僕のことを歌手としてこれだけ活動ができるように育ててくれた、これまで光を与えて下さったファンの皆さんだと思ったんですね。それで「僕にはこの3つの太陽があるんだ」という想いを今回のアルバムで表現したいなと。そして、これまで光を与えてくれた皆さんに対して「これからは僕が太陽になって光を注いで輝かせるよ」というメッセージを届けたいと思って制作した作品が『MY SUN』なんです。

ーちなみに、韓国と日本でリリースする作品は、意識的に音楽性を変えていたりするんでしょうか?

そこは違いを意識的に持たせています。韓国でリリースする作品では、毎回実験的なコード進行の楽曲を使うようにしているのですが、日本のファンの皆さんに聴いて頂く作品には、これまで僕がたくさん聴いてきた日本の楽曲のコード進行を多用しています。日本の方はあたりまえのように聴き過ぎて気付いていないかもしれないんですけれども、外部の人間から見ると、日本の方々が好きなコード進行って間違いなくあるんですよ。なので、そこは毎回研究しながら制作していますね。



ーたしかに、キムさんが日本でリリースする楽曲はコード進行も含めてJ-POP的だと感じています。しかも日本がK-POPブームの真っ只中にあっても、その姿勢は崩さない。ここまでJ-POPに拘り歌い続ける理由はて何なんでしょう?

K-POPが日本でこんな風に親しまれて有名になる前から、僕はJ-POPを歌ってきているんですね。なので、K-POPが人気になったからと言って、これまで僕が歌うJ-POPを聴いて下さっていた方たちの期待を裏切る必要はないと思っていますし、これからもJ-POPを歌って日本のファンの皆さんに届けていきたい。あと、日本語の曲を歌うこと自体、僕にとってはすごく面白いことでもあるんですよね。その単語が持つ響きだったり、日本語ならではの言葉にある感情だったり、そういうものを学びながら歌って、その歌を聴いて日本のファンの皆さんがとても喜んで下さると、僕もとても嬉しい気持ちになりますし。なので、僕はこれからもずっと日本の歌を歌い続けると思います。

ー大阪のトークイベントで、ONE OK ROCKやOfficial髭男dism、あいみょんなどの曲を聴きながら、J-POPについて勉強しているとお話されていましたが、常にそういう研究はされているんですか?

そうですね。X JAPANから始まって、Mr.Children、B'z……最近ではあいみょんさんなど日本の音楽を聴き続けてきたんですが、日本の音楽にはブレない軸みたいなものがあると思うんですよね。そんな中で、J-POPというものはトーンの変化を繰り返して進化しているなって。そこには、それこそ様々な研究があって、同じコードであっても全く違う伝わり方になるトーンというものにずっと拘って突き詰めてきている。これは全世界どこに出しても、とても優秀なものとして評価されるものだと思っているんです。なので、そうしたJ-POPの素晴らしい部分については、自分も日々勉強させてもらっていますね。

Rolling Stone Japan 編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE