「Navy」というのが一番しっくりきた―3人のクリエイティブの話、1曲ずつ聞かせてください。曲ができた時系列順でいうと、まず「No Cap Navy」ですよね。Aile The Shota:「No Cap Navy」は(『THE FIRST』の)合宿があって、東京に戻ってきて、ということを繰り返す中で作った楽曲で。SOTAの実家とかMANATOの家に3人で集まって作ったり、SOTAが運転する車の中でサビの歌詞を考えたり。
SOTA:確かに、してたわ。
AIle The Shota:深夜に電話しながら、「今日は出ないから諦めようか」って言ったり(笑)。
SOTA:2時間くらい意味わかんない話して終わるっていう(笑)。
Aile The Shota:「今日は無理だね」って(笑)。僕の中で『THE FIRST』がただのオーディションじゃないなと感じた、一番大きいところかもしれないですね。ちゃんとアーティストとして活動しているなと思えたというか。
—オーディションのクリエイティブ審査というとピリピリした状況の中で作ることになるケースが多いと思うから、そうやっていいヴァイブスで作れたというのはすごく尊いことですよね。Aile The Shota:超いい作り方でしたね。歌詞のテーマとしては、自己紹介みたいな感じで。
SOTA:ヴァースで自己紹介して、サビでは“出会えた奇跡”というか。
Aile The Shota:あとは踊らせたいということ。作り方はどうだったっけ?
MANATO:トラックからかな。自分たちでSKY-HIさんの曲を選んで、それをサンプリングして、3人で集まってパソコンいじったりして。それが新鮮でありながら、オーディションの段階でできるんだっていうのが嬉しかったですね。しかも日高さんがShowMinorSavageだからこそ関与しないというスタンスで。そこの信頼に対して僕たちも返さなきゃという気持ちがあって。
Aile The Shota:ね。かっこいいものを作らなきゃって。日高さんはずっとShowMinorSavageのファンでいてくれていることをすごく感じますね。「ShowMinorSavageはやりたいよね」って何回も言ってくれていたので。
SOTA:ずっと言ってた。
Aile The Shota:それが叶ったのは嬉しいですね。
—3人でそうやって作る時、主にパソコンをいじるのはShotaさん?Aile The Shota:僕が、Logicで。そもそもSKY-HIの楽曲のオケをそのまま使ってもよかったんですけど、「トラックを作ってもいいよ」って言ってくれたので、「だったらやってみるか」って。3人で相談しながら僕がパソコンいじって、キーを変えたりダンスっぽいところも入れたり。楽しかったですね。
―そもそもなぜサンプリングする楽曲として「ナナイロホリデー」を選んだのかは覚えてますか?SOTA:上音だけほしかった(笑)。
Aile The Shota:そう、「ここのシンセだけ使いたい」って。
MANATO:明確に、これ使ったら絶対によくなるっていうね。
SOTA:これ一個下げたり上げたりしたら面白いってやったら、意外とギターが合っちゃったり。
MANATO:最初は「Chit-Chit-Chat」とで悩んだよね。
Aile The Shota:そうだね。「Chit-Chit-Chat」と「ナナイロホリデー」で迷ってて。エモーショナルなコード進行をサンプリングしたらいいんじゃないかって話して、「ナナイロホリデー」のシンセサイザーを使いたいってなったところからですね。
―それを今回はブラッシュアップしてEPに収録したと。SOTA:そうですね。厚みをもたせて。
Aile The Shota:多少ベースを強くしたり。ローの成分が結構足された感じ。3人でHIRORONさんのスタジオに行ってやったんですけど、めっちゃ楽しかったよね。
SOTA:めっちゃ楽しかった。完全に踊りながら、「ここ合ったら気持ちよくない?」みたいな(笑)。
―3人とも大変化の2年を送ってきたと思うんですけど、2年前の自分たちの歌を聴くとどういう気持ちになりますか。SOTA:俺はダントツ恥ずかしかったです(笑)。
Aile The Shota:すごいよね。だって、ラップ始めて何か月とかで自分で書いたヴァースでしょ?
SOTA:ああ、そうだね。
Aile The Shota:懐かしいね。「どうかな?」「この単語使ったらいいんじゃない?」みたいなことを送り合ってたね。
SOTA:今でもするけど。
Aile The Shota:ね。作り方は変わってないですね。
MANATO:確かに、うん。
Aile The Shota:それぞれがスキルアップした状態で、作り方はあんまり変わってない。
SOTA:いやあでも、このマイナーだけど真っ直ぐなフックの言葉選び、今でもめっちゃ好きなんだよな。
MANATO:この3曲の中で歌詞は一番悩んだ気がする。
Aile The Shota:時間があったしね。この曲はコレオグラフもあったので、踊りながら歌詞を考えたりもして。
SOTA:“party with baddy”とか踊り先行というか。メロディが浮かんだときに踊りも決まっていたので。めっちゃ楽しかったです。
Aile The Shota:ShowMinorSavageの原点ですね。パフォーマンスしていても当時を思い出します。
SOTA:そうそう、激エモだよね。
―“Navy”というワードを選んだ意味も改めて聞かせてもらっていいですか。そのワードを選んだ時の想いが、こうやって3人がオーバーグラウンドで活動する中でより意味のあるものになっている気がして。SOTA:確かに。「マイナー」を意識してました。黒白とかじゃないよね、みたいな。アンダーグランドが黒で、オーバーが白、というわけでもなく。俺らはそれを混ぜてグレーになるわけでもないよねと。「Navy」というのが一番しっくりきたんですよね。
Aile The Shota:それがどんどんハマってきてる感じがある。
—Aile The ShotaとしてもBE:FIRSTとしても、黒でも白でもない、オーバーグランドだけでもアンダーグランドだけでもない、それらをミックスしたオリジナルな音楽を作って大衆に投げ込んでいる今だからこそ、今話してくれた“Navy”というワードが輝いて見えると感じるんですよね。SOTA:めっちゃ嬉しい。
Aile The Shota:“Navy”はこれからもテーマカラーになりそうだよね。
MANATO:確かに。
Aile The Shota:ジャケ写も“Navy”を意識して作ったので。すべての原点になっていくのかなという感じがしますね。
—ジャケットは90’sヒップホップ的なオマージュを感じますね。Aile The Shota:そうですね。ロゴドーン!で。
MANATO:真ん中ドデカドーン!ですね。最初だから「ShowMinorSavage」ということを見せたいという意志があって。できるだけインパクトの強い感じというか。
Aile The Shota:あと高級感。ヒップホップのチャートに入ってきても違和感ないというか、いい目立ち方ができるものがいいなというところは意識しました。
Aile The Shota