ShowMinorSavageが語る、「必然」と「偶然」の交わりから生まれたグループの全貌

ShowMinorSavage(左からAile The Shota、MANATO、SOTA)

2月22日、ShowMinorSavageが1st EP『ShowMinorSavage』をリリースした。ShowMinorSavageとは、BE:FIRSTを輩出したSKY-HI主催オーディション『THE FIRST』の中で、楽曲やコレオグラフをゼロから作る「クリエイティブ審査」にて結成されたグループ。こうして一時的なグループで終わらなかったのは、この音楽がそれほど素晴らしく今の音楽シーンにとって一石投じる可能性があるからだ。

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メンバーは、R&Bやヒップホップに人生を変えられた3人。高校生の頃に一度音楽から離れたもののR&Bやヒップホップを教えてくれる先生と出会ったことで今日にたどりついた、BE:FIRSTの中でも艶やかな歌声を発揮するMANATO。ダンスの世界大会で4度優勝を果たした上でマイクを握ることを選び、音を自由自在に乗りこなして聴き手の身体を動かすグルーヴを曲にもたらす、BE:FIRSTのSOTA。SIRUPやSoulflexなどが日本の音楽シーンで切り拓いたオルタナティブR&Bの文脈を継いで更新する、現在ソロアーティストとして活躍中のAile The Shota。

ここにて、記念すべきShowMinorSavage初のインタビューをお届けする。ShowMinorSavageという名前に込めた彼らの精神性と、1stEPに収録したChaki Zuluプロデュース「SUPER ICY」、TRILL DYNASTYプロデュース「Thinkin’ bout you」、完全セルフプロデュース「No Cap Navy」について語り尽くしてもらった。

ShowMinorSavage / SUPER ICY (Prod. Chaki Zulu) -Music Video-



―ShowMinorSavageをオーディション『THE FIRST』の企画として終わらせるのではなく、活動を継続させたいという意志が3人の中ではずっとあったんですか?

SOTA:そうですね。まずこの名前から、今後を見据えて作ったので。名前から適当にしたくないなと思って。オーディションで終わるユニットにはしたくないという意志が最初からありました。正直に言うと、本当に続くとは思ってなかったですけど。

Aile The Shota:こんなに早く形にできるとは。

MANATO:いつかやりたいなと思いつつ、まさかこんなに早く動けると思ってなかったです。

―ShowMinorSavageという名前の由来、『THE FIRST』を見ていない人に伝える意味でも改めて聞いていいですか。

Aile The Shota:そもそもきっかけは頭文字だったんですけど。

SOTA:Shota、MANATO、SOTA。

Aile The Shota:そこから、僕たちがハマった日本ではまだマイナーというかメジャーシーンで聴かれていない音楽を、Savage=最高にかっこよく見せつけたいと。意思表示であり、なるべくしてなった名前ですね。だから1st EPもこのタイトルにしました。

―マイナーとされるものを当たり前に変えていこうという精神はBMSGの核そのものでもありますよね。

Aile The Shota:そうですね。

SOTA:音楽に限らずですよね。

―そもそも、3人をつなぐもの――何を共有・共鳴しているから、3人で音楽をやりたいのか。そこを言語化してもらうとどういうものだと思いますか。

MANATO:ルーツが似ているからこそ、好きなものが近いし、言葉で話す時に難しいことでもシェアできるというか。

Aile The Shota:共通言語が多いよね。マイクを持って踊るということをやっている中で、こんなにヴァイブスとかルーツが近い人になかなか会えない。しかも(オーディションの最終審査に残った)10人の中で、こんなにも近い人がいるのかっていう。

SOTA:そう(笑)。

MANATO:本当にそうですね。だから何かを作る時、「誰々の何々みたいだよね」って言ったらわかる感じで。

―3人の中でよく出てくるアーティストを具体的に挙げると?

Aile The Shota:せーの、で合うよね?

MANATO:どっち?

SOTA:一人のほう?

Aile The Shota:一人のほう。

MANATO:よく楽曲のリファレンスとかで出る名前だよね。

SOTA:合うかな? 怖いな。

Aile The Shota:いこいこ。せーの!

全員:クリス・ブラウン。

―おー!

Aile The Shota:じゃあ3人のほうは?

SOTA:せーの!

全員:ミーゴス。

—あー!

Aile The Shota:それです。

―やっぱり「No Cap Navy」はミーゴス(「No Cap ft. Travis Scott」)にかかってます?

SOTA:ステージングの佇まいからもう、あんなにイケてる3人は、っていう感じなので。

Aile The Shota:スラングもリアルに使われているものにしたかったので、ミーゴスが使うスラングを参考にしたり。イケてる人が使っている“No Cap”というものを背負って、リスペクトも込めて、という感じですね。

SOTA:ユニットとしての在り方はミーゴスだけど、音楽的にはクリス・ブラウンみたいな感じかな。クリス・ブラウンはどの年代も好みが詰まってる。

Aile The Shota:うんうん。楽曲のリファレンスで挙げるのはクリス・ブラウンの曲が多いですね。

―さらに3人に共通するのは、ヒップホップやR&Bを単純に好きだというだけでなく、それぞれにとって人生のターニングポイントにもなっていることだと思っていて。それらと出会ったタイミングで、「自分がやりたいのはこれだ」と自分の表現方法を掴んだり、プロを目指す上での目線を一段階上げたり。そういうものが3人にとってはヒップホップやR&Bだったと思うんです。

SOTA:確かに。

Aile The Shota:そうですね。自分で表現したいと思ったのがそこでした。

―Shotaさんも高校生の頃にアコースティックユニットを始めたけれど、大学でダンスをやる中でこういった音楽に出会って「これがやりたいことだ」と掴んで今に至るわけですよね。

Aile The Shota:僕が作りたい音楽はこれだ、ってなったのがR&Bだったので。ダンスを始めて最初に聴いたのがクリス・ブラウンで、めちゃくちゃ衝撃を受けて。やっぱりそこが通じ合っていることが頼もしいですね。

―だからこそShowMinorSavageというユニットで音楽をできることが、3人それぞれの人生においてすごく大きな価値があるじゃないかなと。

SOTA:本当に、本っ当に、そうです。僕が踊っていた時期には踊りたいなと思える日本語の曲がほとんどなくて、自分で作りたいなと思って音楽の世界に入ってきたので。この3人ならできるなと思うと、もう……オフの時に一人でドライブしながら聴いちゃうくらい好きな音楽を作れています。普通にノっちゃうし。そういう目線でも、今後も作っていけるのは過去の自分も喜んでいるなとすごく思います。

MANATO:BE:FIRSTでのクリエイティブへの関わり方と、この3人のユニットでの関わり方とでは、結構違う部分があって。0から作るというクリエイティブでやりたいことが存分にできるし、それに対して自信や責任がついてくる。この3曲を作っていく中で特にクリエイティブ面で成長できたことがすごく嬉しいですね。

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