ーその『ブルーロック』の為に書き下ろした新曲「Judgement」は、どんなイメージや想いを膨らませながら制作していったんでしょう？Narukaze：「こんなに苦しい思いをして」とか「本当に大変でした」みたいなドラマティックな話はまったくなくて、本当に楽しみながら作った曲なんですよ。『ブルーロック』の各キャラクターをイメージして、例えば「あ、潔が覚醒したな」とか「千切が走ってるな」とか、蜂楽の自由な感じとか「あ、ここで絵心笑ってんな」みたいなことを想像しながら作った感じですね。アレンジ含めて。あと、バンドの色も出ないと意味がないから「このスピード感はドラムで出そう」とか……曲の表現って言葉じゃないから雰囲気でしか伝わらないし、感じるものって人それぞれだから説明は難しいんですけど……とりあえずみんな『ブルーロック』が好きだから、とりあえず絶対格好良いやつ作ろうと思って作りました（笑）。
Narukaze（Photo by 堅田ひとみ）ー「とりあえずみんな『ブルーロック』が好きだから」って強いですよね。全員がイメージを共有できるし。Narukaze：みんな好きな作品の曲を作れるって、すごくしあわせですよ。こう言ってしまうとのちのち首を絞めるかもしれないけど（笑）、本当にしあわせだと思います。なかなかないと思いますよ。だって、好きになろうとしてなったわけじゃないから。
ASH：元々めっちゃ好きだったから。そんなことなかなかないよ。
Narukaze：ASHはたぶん気付いていなかったと思うんですけど、僕は事前に『ブルーロック』の主題歌が決まるかもしれない話をふわっと聞いていて。まだ「もしかしたら……」ぐらいの段階のときに。でも、確定じゃないから「ASHにはまだ絶対に言わないでおこう」と。それも面白かったです（笑）。
ASH：それ、超初耳！
Narukaze：だって、ASHは『ブルーロック』好き過ぎるから、そのタイミングで伝えて決まらなかったら絶対にショック受けるじゃん（笑）。
ASH：そんなことも知らず「今週の『ブルーロック』観た？」とか「最新巻、マジ熱いよ」ってみんなと普通に話してたから（笑）。
ーそんなASHさん、今作「Judgement」の仕上がりにはどんな印象を持たれていますか？
ASH：Naruくんが今話してくれたみたいにいろいろイメージしながら作ってくれて、曲を作るというのはアートの領域なので、言語ではなく音で世界を見せてくれたんですけど、例えば「このビートね！ OK！」みたいな感じで音から掴めるものってめちゃくちゃあって。それこそ「潔がここで覚醒してんな」「ここで蜂楽がドリブルしてんな」というイメージが僕にも見えたんですよね。そこから歌詞を書いていって、サビにもうワンフック作りたいなと思ったから「選べ Judgement!!」というフレーズをリフレインして、それをみんなで歌ってもらえたらめっちゃ良いんじゃないかと。で、第1稿が出来上がって、そのあとの本チャンのレコーディング前に歌詞を書き換えたんですよね。
ー直前で変更したんですね！ASH：今思えば『ブルーロック』という物語に寄り添うような第1稿だったんですよ。それで「いや、これだけエゴいという言葉が謳歌しまくっている作品にそんな遠慮がちな姿勢でいたら、俺らが喰われる」と思って。それで「逆に喰ってやる！」「俺たちは『ブルーロック』が好きです!!」って『ブルーロック』への愛を純度100％詰め込んだものがこの完成形の「Judgement」なんです。
