ASH DA HEROが語る『ブルーロック』、愛とエゴを詰め込んだ新曲

ーそんなバンドとして良い状態に仕上がっている中で、アニメ『ブルーロック』の主題歌を担当することになりました。ASHさんは元々大好きだったということですが、あの作品に最初に触れたときはどんな印象を持たれましたか?

ASH:僕の記憶が正しければ、2018年の8月に『週間少年マガジン』をぺろっと捲ったら、新たなサッカーマンガが始まると。表紙でどーんと。そのときは「もうサッカーマンガは出尽くしたんじゃないかな?」と思っていたんです。でも、1話目を読み終えた瞬間、思わずマンガ好きの友達に連絡して「すげぇの、始まったよ」って。それが『ブルーロック』との出逢いですね。

ー『ブルーロック』のどんなところに魅了されましたか?

ASH:王道的なストーリーを型破っていくところに惹かれたんだと思います。なんとなく王道的と言われるサッカーマンガの主人公って、いちばん最初に脱落する吉良くんみたいな。いわゆる超エリートで性格も良くて、みんなから人気があるザ・スター、スーパーヒーローみたいな存在じゃないですか。その王道的な主人公タイプの人間が見るも無残に蹴落とされていく。あの瞬間から『ブルーロック』の主人公・潔世一のエゴが覚醒していくストーリーが始まると思うんですけど、僕にとっても『ブルーロック』のストーリーはそこで扉を開いたというか「このマンガ、絶対に面白い」と確定した瞬間だったと思うんです。

ーなるほど。

ASH:サッカーって国民的どころか全世界的、地球人の代表的スポーツと言ってもいいぐらい、最も競技人口が多いスポーツじゃないですか。そのサッカーをこんなに堂々とど真ん中から型破っていく作品は他にないと思うんですよね。そこにパンクを感じたし、ロックを感じたし。


(Photo by 堅田ひとみ)

ーそこまで惚れ込んだ『ブルーロック』の主題歌に起用されたときは、どんな気持ちになりました?

ASH:1話目からサッカーマンガの常識をバッコーンと覆されて、そのときはこの作品がアニメ化されて、まさか自分たちが主題歌を担当することになるなんて思うわけもなかったから驚きましたよ。そもそもアニメになるとも思っていなかったですもん。



ーたしかにサッカーの在り方どころか、日本人の美徳みたいなものを根底から覆すところから始まる作品ですから……。

ASH:それをテレビアニメとして放送すること自体がめちゃくちゃ大ニュースだし、時代が一歩進んだ感じがしましたね。ものすごく革命的だなと思いました。

ーその主題歌としてASH DA HEROの新曲「Judgement」が流れ始めたタイミングで、Satoさんがスピードスター・千切豹馬のコスプレ姿をツイッターに公開。あまりのクオリティの高さに驚きました。

Sato:これまでのキャリアの中で女装をするとか、そういうことはやっていたんですよ。で、マンガ博士のASHから『ブルーロック』を教えてもらって、知れば知るほど好きになっていって、そのうちに自分の中での推しもできて。それが千切豹馬だったんですけど、そんな彼のストーリーを追っていくうちに「他人とは思えない」とシンパシーをめちゃくちゃ感じたんですよね。なので、たっぷり愛を込めて、自分なりの解釈でコスプレをやらせて頂いたんです。

ーたしかに、Satoさんと千切豹馬は成り立ち方が似ていますよね。

Sato:千切はケガして挫折をして、でもそれを振り切って覚醒していく。自分もバンド活動から1回離れてしまったけど、ここにいるみんなと出逢って「バンドってどんな感じだったっけ?」みたいなところからASH DA HEROの活動がスタートして。そこから今回の「Judgement」の歌詞にもあるように、これまでの自分を壊してアップデートしていった中で、今の自分があるからすごくリンクするんですよね。

WANI:あのコスプレを見たときは、純粋に「すげぇな、レベルがちげぇな」と思いましたよ。

Rolling Stone Japan 編集部

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