CHAIが語る、海外で掴んだ「世界に通用する音」「自分たちにしかないオリジナリティ」

 
海外での反応が変わった理由、大切なのはオリジナリティ

―昨年も海外のフェスにたくさん出ていましたけど、曲の伝わり方や手応えはどうですか? 2ndアルバム『PUNK』(2019年)を出した頃は、海外メディアの評価と、お客さんの反応や実際の知名度が少し乖離しているということを吐露してくれましたよね。その辺も変わってきているのかなと。

マナ:変わってきた。『WINK』を出して、Sub Popと組んでから、本当に景色が変わった。ありがとうって思うくらい変わった。「ACTION」「Donuts Mind If I Do」「END」とか、全部歌ってくれる。大合唱。

ユウキ:こないだの南米、すごかったよね。日本からは真反対なのに(笑)。口の開きが完全に歌詞をわかってる人だった。「Donuts Mind If I Do」をまるで自分が主役かのように歌ってる人を見て、すっごく感動した。








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昨年11月、チリで開催された大型フェス「Primavera Sound 2022 Santiago」出演時の模様

―『WINK』以降、そこまで海外の人にしっかりと届けられることができたのはどういった要素が大きいと思いますか。

カナ:私たちがわからない「アメリカの音」みたいなものを一緒に作ってくれる海外のプロデューサー・Ryuと出会えたことはすごく大きかった。やっぱり伝わる音ってあるんだなって、『WINK』を作って、お客さんの反応を見てより思った。意識的に変えたというわけではなくて、私たちがどういう音にしたいかを考えた時に、やっぱり自然とそっちだったんだよね。だからやりたいことがちゃんと形になって、ちゃんとお客さんに届いたと実感できたのは、本当に『WINK』からで。

ユウキ:このあいだ渋谷ののんべい横丁でイタリア人のDJと知り合ったんだけど、お店の中で「Donuts Mind If I Do」のMVが流れたら「この曲知ってる」って言ってくれて、「これ私だよ、CHAIだよ」ってなって(笑)。その曲がCHAIだとか、日本人だとか、何も知らなくて、ただ曲だけ知ってて、その曲が好きで自分のDJプレイリストに入れてくれてたみたいで。曲が先行するという状況になっていることを初めて実感した。今まで日本でも名前だけとか「NEOかわいい」というワードだけが先走ってる感覚があったけど、誰が歌ってるとか関係なく「その曲が好き」というのを海外の人が実践してくれているのを感じて、すっごく感動した。


Photo by Kana Tarumi

―いい話ですね。CHAIって、「NEOかわいい」とかのフレーズが先行すればするほど、海外から注目されればされるほど、自分たちはどんな音を鳴らすべきなのかを心底悩みながら模索してきたバンドだと思うから。そこから今の状況にたどり着いてることが本当に素晴らしいと思う。

ユウキ:目の前でそういう人に出会うことは初めてだったから。しかもイタリアって行ったことないの。めっちゃ面白くて不思議な経験だった。

―最近は、「世界の中のCHAI」として特に何を大事にしながら曲を作っていますか?

マナ:最近はね、とにかくオリジナリティ。曲を作りたい時、「こういうのと、こういうのと、こういうのみたいなのを作りたい」って、すでにあるものを聴かせるしかないじゃん? だけど、そこからどうやってオリジナリティを出すかが一番難しい。どういうメロディが自分たちにしかなくて、どういう考えが自分たちにしかなくて、どういうふうに表現するのが自分たちにしかなくて、っていうのを考えるのが一番楽しい。海外の人はオリジナリティがすごく強いから。今まで出したことのない顔、出したことのないミュージックで攻めてくるから、かっこいいと思うもんで。だから私たちにしかないものを常に考えて、自分たちで面白がってる。


Photo by Kana Tarumi

―次のアルバムはほぼできあがっているんですか?

マナ:できあがってます!

―それはEPとはまた全然違う方向性になりそう?

マナ:全然違う! 早く聴いてほしい。EPも素晴らしいけど、すごいから。まじで楽しみにしてて。

―『WINK』からの進化が『ジャジャーン』につながって、『ジャジャーン』でまた進化して、アルバムではまた大進化があるんですね。

マナ:うん、100倍くらい!

―(笑)。アルバムの前に、1月29日から日本でツアーが始まります。去年は日本でワンマンツアーができなかったから待望のツアーですよね。

マナ:すごいエネルギーだから、楽しみにしててほしい。

ユナ:ぶちかましで!

マナ:すごいよ、今のCHAI。

―しかも、このEPの音がライブでどう演奏されるのかが気になるし楽しみです。ユナさんのドラムもどう音源から変わるのか。

ユナ:ほんとそうだよね。このEPではほとんど叩いてなくて。

カナ:打ち込みが多いからね。

ユナ:そうそう。でもそれがCHAIのいいところで。音源とライブのよさの二極性を出せるバンドで、その分ワクワク感が2倍、3倍あるから。この曲たちがライブでしか見せられないアレンジになってるから、ぜひツアーに来てほしいなって思う。


Photo by Kana Tarumi




CHAI
日本限定EP『ジャジャーン』
発売中(2023年1月18日)
初回仕様限定特典:<ジャジャーンクーポン>封入
¥1,650(税込)
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CHAI 「ジャジャーンTOUR」
2023年1月29日(日)栃木県・HEAVEN’S ROCK 宇都宮 VJ-2
2023年2月3日(金)大阪府・梅田CLUB QUATTRO
2023年2月4日(土)香川県・高松DIME
2023年2月18日(土)石川県・金沢AZ
2023年2月23日(木・祝)北海道・札幌cube garden
2023年2月25日(土)宮城県・仙台darwin
2023年3月10日(金)福岡県・福岡BEAT STATION
2023年3月11日(土)広島県・広島セカンド・クラッチ
2023年3月17日(金)愛知県・名古屋CLUB QUATTRO
2023年3月23日(木)東京都・恵比寿ザ・ガーデンホール
●チケット詳細はこちら


あああ

 
 
 
 

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