TEAM SHACHIの咲良菜緒が語る、2022年の心の変化、これからの「生き方」について

音楽面での新機軸

―そうやって様々な新機軸はありつつも、デビュー時から楽曲提供している浅野尚志さんの楽曲はあるという。

いつもの浅野くんとは違う曲だけど。

―浅野さんってTEAM SHACHIにとってどういう存在なんですか?

ええ~? 万能な人かな。

―これまでのアルバムで浅野さんの曲が収録されないことはなかったじゃないですか。それぐらい欠かせない人物なんですよね。

浅野くんが書く歌詞は、雰囲気が本人たちに合ってる気がするんですよね。難しいことは言わないしストレートなんだけど、きつすぎない。メンバーのマインドもそんな感じで、めっちゃシンプルなんですよ。私はワーッといっちゃうけど、他の子はマイペースでほわほわしてるから、そういう雰囲気が浅野くんの言葉と合ってる気がします。

―曲ももちろんいいけど、どちらかというと歌詞の方に重要性を感じてる。

言いにくいなあとか、こういう言葉は使わないなあって感じることが少ないんですよ。ずっと歌ってるからっていうのもあるかもしれないけど。

―その一方で、永澤和真さんは今作から参加している新しい作家さんですよね。

そうなんです。「舞頂破」と「東海コンプライアンス」。でも、さっきも話したけど、「東海コンプライアンス」は3つある中から選んだらたまたま永澤さんだったっていう。

―なんか、TEAM SHACHIの新たなキーマンになりそうな気がしますけど。

あ、なると思います。

―大人になったTEAM SHACHIの新たな軸を作ってくれそうですね。

うん。ね!

―でも、キャリアとともにやることは変化してきていますけど、4人とも声の雰囲気が変わらないですよね。

あ、それはめっちゃ大事にしてます。上手く聞こえる発声とか声質ってあるじゃないですか。でも、私たちの場合は個性を生かしたままピッチをよくしたり、表現できるニュアンスを増やしたりっていうやり方でボイトレをしてるから、敢えて変えないようにしてます。

―そこは努力してる部分なんだ。

そう、わざと。

―それはまたなんで?

最初からそういう方針で。昔はヘンテコな曲が多かったから声にも個性があるほうが面白いっていうことで、みんなで同じものを目指すんじゃなくて、それぞれの強みを活かしていくっていうことになってた。でも、メンバーもそっちのほうがいいと思ってたし、私たちは曲を聴いたときに「あ、これはこの子の声だ!」ってすぐにわかりたい人たちだから、歌いグセとかを敢えて直してないんですよ。

―さすがに昔のような幼さはないですけどね。

歌い方でだいぶ変わっちゃうんだと思いますけど、そこはすごく気をつけてやってます。だから、ボイトレの先生もメンバーによって教え方が違うと思います。自分の無意識なクセを注意しないでくれてたり。

―これからもそこは変えないし、特に変えたいとも思ってない。

うん。ふふふ。4人になってからハル(坂本遥奈)はラップのパートが増えたし、それぞれの得意分野というか、似合うパートが増えてきてるから、その子らしさはより大事にしていきたいですね。

―『TEAM』でようやく新しい体制の全貌が見えたと思ってたんですけど、今となってみるとあれは総まとめだったんですね。

そうですね。いったんまとめたって感じ

―で、ここからまた新たなTEAM SHACHI像が作り上げられていくという。

そう。改名してから自分たちのことがわかってきて、そこからまた遊び始めるようになったのかもしれない。

―『TEAM』って菜緒さん的にはどういう立ち位置なんですか?

改名してからわりとずっと真面目だった印象で、もちろん今も真面目にやってますけど、当時はみんな大人になったし、キャリアも上がるから、楽曲のベースを上げるための基礎トレというか、自分たちの軸を鍛えた3年間。で、今はやっと私たちの本当のテンション、「東海コンプライアンス」みたいな曲で「いえーい!」ってやりたいっていう気持ちが出てきた。これが私たちの根本なんですよ。だけどそれをやるためにはやらなきゃいけないこともあるじゃないですか。自分たちのレベルを上げないと遊びの部分が本当にただの遊びに見えちゃって面白くなくなるから、それがより楽しくなるように軸を固めてたんだと思います、いま振り返ってみると。

―やりたいことをやるための基礎づくりの結果が『TEAM』だった。

だから、代表曲みたいなものはこの3年間のほうが挙げやすいと思うんですよ。メッセージ的にも軸になる曲が多かったと思うし。

―ということは、表現面では厳しい時間だったんじゃないですか?

そうですね。やりたいことをやりたいマインドの人からすると特にそういう面はありました。「これがいつまで続くのかな……?」って。コロナのことも含めてそう思ってたところはありましたね。

―でも、その時間がなかったら今回のEPもなかったわけで。

そうそう、そうですね。だから、この3年でいろんな曲が増えたので、そこでだいぶ鍛えられました。しゃちほこ時代は真面目な曲からわりと逃げてきたので。いや~、改名ってデカいですね。しかも、ただのゼロスタートじゃなくて、なんとなく形があっての改名だったから、まとめるのに時間がかかりました。

―じゃあ、これからはやりたい放題だ。

本当ですよ! お遊び曲がいっぱい欲しいですね。今回も「光」とか「解凍ガール」は別ですけど、他はふざけてますからね。絵音くんの「江戸女」もだいぶふざけてるし。



―TEAM SHACHIの今後が楽しみになってきますね。

本当ですか? でも、けっこう先まで予定は決まってるんですよ。そうやって先がちゃんと見えてるのも自主のいいところだと思います。

―今後、ねちょねちょ曲が出てくるかもしれないですね。

ね~? 出してくれるかなあ?

―「1曲だけ! 1曲だけ!」ってお願いしたら出してくれるんじゃないですか?

ちょっと言ってみようかなあ。(TEAM SHACHIで)無理そうだったら次のソロ曲にします。あはは! 私はグループでやりたいけど!


TEAM SHACHI 左から坂本遙奈、咲良菜緒、秋本帆華、大黒柚姫

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