TEAM SHACHIの咲良菜緒が語る、2022年の心の変化、これからの「生き方」について

「私たちのライブのテーマ」

―でももう大人だし、自分たちのやってることに責任を持ちたい。そして、そうなってみると、これまで自分たちの知らないところで仕事を進めてくれてた人たちのありがたみもわかってくるっていう。

そう。「このことについてこう決断するってすごいことだったんだな」っていうのはちょっとずつわかってきた。でも、そこはちょっと葛藤ですね。知っちゃったからにはもう知らないふりはできないし、今は自己プロデュースみたいになってきてて自分たちの在り方が変わってきてるので、そこは難しいなって思います。

―一般的に、メジャーから離れることをポジティブに捉える人もいればネガティブに捉える人もいると思うんですけど、菜緒さん的にはどうなんですか?

自主レーベルを始めるときの話し合いでは意見が割れたりもしたんですよ。でも、私は仕事というよりも、生き方的にやりたいことをやりたくて。

―自分の人生としてね。

そうそう。少し前に決めたことがあって、「やりたくないことはやりたくないから、そうならないように頑張る」って。そういう意味では「ああ、いいんじゃない?」って感じでした。変わるのは自分たちで曲を出すってことだけじゃないですか。自分たちの意見も反映されやすくなるし。あと、周りに自分たちでレーベルを立ち上げている人も増えてる印象で、困ったときに相談できそうな人もたくさんいたからチャレンジするのもありかなあって。

―今の体制だと仲間を引き込みやすくなりますよね。

あと、フィーチャリングがやりやすくなる。

―ああ、これまではレコード会社の都合もあったから。

そう。これからはいろんなアーティストさんと絡みやすくなるし、いろんな音楽と触れ合えるかもっていうのも私的には大きかったです。

―そうしてできあがったEPのタイトルが、メジャーだったら絶対に通らなかったであろう『舞いの頂点を極めし時、私達は如何なる困難をも打ち破る』で。

これ、ヤバいですよね(笑)。長いし、たぶん誰も覚えないと思う。20人ぐらいじゃないかな(笑)。でも、私、サブスクでよく音楽を聴くんですけど、アルバムタイトルがこれぐらい長かったら聴いちゃうかも。

―へぇ~。

なんかよくわかんないからとりあえず聴いてみちゃう。だから、そういうぱっと見のインパクトはあるのかなって。

―タイトルらしさがミリもないです。

うん、文章だから。でも、これを略すと「舞頂破」(EP収録の先行配信曲)になる。もともと「舞頂破」の説明としてもらったのがこれだったんですよ。造語なんですけど、これが私たちのライブのテーマを表しているし、チームのモットーみたいな感じになってると思います。

―かつてのヘンテコさが大人になって再び戻ってきた感じがしますね。

そうなの! やっと帰ってきました。ヘンテコやりたかったんで。今回も全然まとまってないし、まとめようとしてない(笑)。

―しかも、<トウカイ盤>と<カイトウ盤>を合わせると5曲ありますけど、そのうち2曲が変拍子っていう。

難しかった、本当に。でも、どの曲もまったく系統が違いますけど、それぞれ印象に残りやすいからそれがいいなって思いますね。

―菜緒さん的に一番しっくりくるサウンドってどの曲ですか?

(即答で)「東海コンプライアンス」。これと「光」はそれぞれ3曲ある中から選んだ1曲なんですよ。「東海コンプライアンス」は東海に関する歌詞を乗せることが最初から決まってたので、これ以外にも、シャチが歌うかどうかは置いといて個人的にドンピシャな曲があって。でも、それは東海の歌詞を乗せるようなタイプの曲ではなかったんですよね。





―今日の話の流れで「ドンピシャ」って言われるとFACE NO MOREみたいな曲なのかなって思っちゃいますね。

あ、でも、若干ダークというか陰で奇妙な感じです。だから、「これは別の機会に使いたいわあ」って。テンションは低いし怪しい曲だけど、ほかのメンバー的にもすごく残ったみたいです。

―自分も「東海コンプライアンス」が一番好きです。

ですよねー! いいよねー! ノリで歌っちゃう曲というか。

―思ったんですけど、この曲のテーマが前にこの連載で聴いてもらったILLMARIACHの名古屋案内の曲と同じなんですよね。

ああ! はいはい! たしかにあったね!

―あのとき、「こんなの歌いたい!」って言ってて。

……叶ったね。あはは! EPを作る段階で「東海のことを歌いたい」って伝えてたんですよ。

―この曲の何がいいって、東海地方の人間以外ピンとこないフレーズがあちこちに出てきて、地元の人間以外を全員置いてけぼりにする感じなんですよね。それがカッコいい。ピー音で処理されているところが4箇所ありますけど、ここも地元の人ならわかるのかなあ、とか思ったり。

わかるのかなあ? でも、バレたら私たち消されちゃうかもってぐらいのことを言ってるので、本当に(笑)。

―へぇ~! でも、○○○はわかりましたよ。ヒントが歌詞の中にちゃんとあったから。

ああ、○○○はね!

―でも、あとは全然わからない……伏せ字にするから教えてくださいよ。

(マネージャーに向かって)書かなければいいんじゃない? じゃあまず、<規則違反者は>のあとは<○○○○○行き>って言ってるんですけど、これは名古屋の○○○○○○で、○は多いんだけど○○○○ないんですよ。○○○重視の○○○○○とかを作ってて、みんなが遊び感覚で行く○○○○○○、みたいな。で、○○くて○が多いから、ネタとしてこの名前を使ってます。

―なるほど!

その次は<○○○の池>なんですけど、これは○○○○○○○○のことです。○○○○でここに行く○○が多いんですけど、愛知県にはそれにまつわる伝説があって、誰かが○○○○を池に落としたって言われてて、○○○○でここに行くときには事前に「絶対に○○○○を池に落とすな」って説明を受けるんですよ。だから、本当のところはわかんないけど、愛知県民はみんな誰かが○○○○を池に落としたっていうことを知ってるんですよ。そういう話からこのフレーズは生まれてます。

―全然知らなかった。

で、<ひよっこ嬢ちゃん>のあとは<○○○○噛むぞ>で……。

―あっはっはっ! そりゃあダメだ!

これが一番危ない!(笑)そんな感じかな。

―いやあ、いい話ですねえ。この曲はほかにも<さるぼぼ>がわからなくてググりました。

あ、さるぼぼ知らなかったですか? みんな付けてましたねえ。

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