THE LAST ROCKSTARSで挑む海外の「壁」―環境問題も、コロナも、国際協力がないと克服できない問題が多数ある世の中なのに、世界は戦争と分断の時代に突入しています。この皮肉な状況において、すぐに音楽の力という言葉を軽々に出すのは安っぽいですが、アートや音楽しかもうそこの架け橋になり得ないのかなという気がしてしまいます。残念ながら音楽に戦争は止められないですよ、今のところは。なのですが、人々の意識を導いたり、ヒントを与えたり、もしくは潤してあげたりすることはできます。世の中を変えるのは人々の意識なので、すごく遠回りなやり方だけど、世の中の一人一人の精神的熟成度を上げるしか道はないと思います。
―同感です。さて、25年目以降、ソロにおいてはどんな活動を描かれていますか?もうスケジュール的にはカオスでね。しかも、去年から水面下で進んでいた、この間発表したTHE LAST ROCKSTARSが、本当は9月とか10月頃に発表する予定だったんですけど、後ろにずれ込んで11月になり、そこにいろいろと重なり、全てが一緒くたになってしまいそもそも年内は完全にカオスです。音楽的には、やっぱり即興表現をより突き詰めていきたくて、そのための活動や、そのための自分の吸収の時間がすごく欲しいんです。特にSHAGに結びつくものには時間を割きたいです。ソロはやっぱり、今後もより電子音楽に特化していきたいので、そのなかでも、今まで以上にインプロビゼーションというのはすごく重要になってくる。かたやTHE LAST ROCKSTARSは、いわゆる僕らの持っているロック的な部分と、例えばEDMやポップフィールドに融合したいと思って、今制作をしているところです。かたやLUNA SEAは、今度12月に、最初期に戻ってかなりダークなゴスでハードコアな音楽をやろうとしています。自分でももう訳がわからない状態ですが、どれも自分の重要な要素ではありますね。
―今、話に出たTHE LAST ROCKSTARSは、SUGIZOさんも楽曲はかなり作られているんですか?みんなで曲を作り合ってる感じですね。平等に作っています。どうやって落とし込むのか、どういうやり方で進めていくのがベストなのかは、まだ右往左往していて落ち着いてはいないです。それでもライブは決まっているので、ワンマンをやるためには曲は書き溜めないといけないので。
―年明け1月からのライブの前にアルバムをリリースしようぐらいの感じではあるんですか?もともとそうだったんですが、それは無理なので、英語的にはライブデビューという言い方をしています。要は東京と、NY、ロスのデビューライブですよね。その前にシングルは何曲か投下します。それはマストでやらなければいけないというところですね。
―しばらくはアルバムは出さずにライブをやってという感じですか?来年にはちゃんとアルバムを出せればいいんだけど……。バンドのなかではアルバムという形態が重要なの?って意見もあるけど、僕は、どんな時代でもアルバムという形態はすごく大事にしたい派なので、どうなるかわからないですけど、曲は作り続けているし、リリースはし続ける予定です。
―これはワンショットのプロジェクトじゃなくて、パーマネントなバンドなんでしょうか?元々は一回こっきりのセックス・ピストルズ的なすごいことやろうよってところから本当は始まってるんです。最初の発想としては。ところが、だんだん本格的なモードになってきていますよね。
―どういう立ち位置でこのバンドをやっていこうかまだ確立していないと?ただ重要なのは、海外を本気でやりたいっていうことですね。海外に対して僕らがやりたくても成し遂げられていない壁があるじゃないですか。そこに意識を持ったメンバーたちが、各々で今までやっていたけども、一度ここで手を組むというところです。
―改めて来年もかなり多忙になりそうですね。ええ。僕のソロはこの11月からが25周年イヤーなので、いろいろ仕掛けていきたいんです。例えば、『THE COMPLETE SINGLE COLLECTION』と同時に、僕の多くのソロ作品がやっとサブスク解禁になります。あと、極力全作品をこれからアナログ化したいんです。そのプロジェクトをすごくやりたい。今の時代としてもすごくかっこいいと思うし。もちろん枚数がものすごく出るものじゃなかったとしても、モノとしての価値をちゃんと作りたい、残したい、それを届けたいっていうのがあります。そして11月29日の25周年ライブの映像作品化が決まっています。その後、本当に自分がやりたかった新しいソロのプロジェクトにこの1年で着手していけたらと思っています。それと、THE LAST ROCKSTARS。さらに、LUNA SEAが、来年の後半加速していくと思います。その合間にSHAGがあるっていう感じです。まあ忙しいですね。でも、音楽の重要性が増している世界なので、これからも手をゆるめず、極めて行きます。
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