SUGIZOが語る、縄文文明から日本人が学ぶべきこと

SUGIZO

SUGIZOにとって3年ぶりとなるオリジナル・アルバム『愛と調和』は、「世界的パンデミックにより疲弊した人々への救済」をイメージして作られたという。

自らフィールドレコーディングした地球の音を織り込んだ曲、僧侶の声がミックスされた曲など、時空を超えたかのような壮大な仕上がりとなっている。アルバムを作る際に重視したものということで「縄文文明」という意外なキーワードを挙げたSUGIZO。今作の着想から完成までを紐解きつつ、日本古来の文明を引き合いに、ポストコロナの社会についても語ってくれた。



―12月初旬にブルーノート東京で開催されたSUGIZOさんの即興演奏プロジェクト・SHAGのライブを拝見させていただきました。今回の即興演奏の根底にあるのは「怒り」。激しい音に身体はもちろん心も熱くなりました。

ありがとうございます。SHAGの音楽の根底にあるのはフリージャズなんですね。同時にジャズ、ロック、ダブ、ファンクなどをグチャグチャにして吐き出すかのようなコンセプトのジャムバンドです。しかも自分の中に燻っているマグマのようなエネルギーを音楽にしたら、と思って今回のライヴになりました。逆に、ソロワークでは癒しの音楽を作りたかったんです。

-『愛と調和』は、確かにSHAGの真逆ですね。このアルバム、当初はいろいろな方をフィーチャリングして制作しようとしていたところ、コロナでそれが出来なくなってしまって……。

そうなんです。2017年に仲間の男性ヴォーカリスト陣をフィーチャリングして『ONENESS M』というアルバムを作ったので、今回はその続編として女性ヴォーカルをフィーチャーした歌モノのアルバムを夏に出す予定だったんですよ。自分の中でジャズ・ソウル畑のミュージシャンとセッションした経験がすごく大きくて、生演奏のセッション形式で録音するソウルやジャズやボサノヴァに軸足をおいたアルバムを作りたいと考えていたのですが、コロナで全てできなくなってしまった。当時の状況ではセッションで火花を散らして、いろんなシンガーをフィーチャリングして作るアルバムは無理なので、自分一人でできることをやろうという方向にシフトしました。

―なるほど。

で、その時にギターとシンセサイザーを中心としたアンビエント作品を作りたいと思いついたんです。それと同時に、このパンデミックを生き抜いた我々に届く救済の光というイメージが湧いてきました。収束に向かって世の中が変革していく中、精神的にも肉体的にも疲弊しきった人々を癒す音楽、未来に希望の光を提示してあげられるようなものを今生みだす必要があるなと思ったんです。

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