ラーキン・ポーが語るサザン・ロックの革新、過去の名曲をカバーしながら学んだこと

 
過去の名曲をカバーしながら学んだこと

―ビンテージ・テイストのアルバム・ジャケットについて教えて下さい。

メーガン:60〜70年代の音楽もそうだし、デザインも大好きなんです。で、私たちの音楽に耳を傾けているとノスタルジアを喚起すると思うんです。レコーディング方法も昔のやり方を踏襲しているところがあって、ライブ感があって生々しい。そういうフィーリングをジャケットにも投影したかったんですよね。

レベッカ:ジャケットとしては間違いなく、これまでで一番気に入っていますし、ロゴは今後しばらく使うことになると思います。すごく美しいと思うので。まるでフリートウッド・マックとレッド・ツェッペリンの間に生まれた赤ちゃんみたいですよね(笑)。ふたつのロゴが合体して、新しいロゴが生まれたというか。








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―以前からYouTubeで多数のカバー曲のパフォーマンスを公開していましたが、名曲の数々を解体・再構築する作業を通じて、曲作りについて学ぶところも大きかったのでは?

レベッカ:そう思います。カバー曲のシリーズで本当に多くを学びました。私たちにとっては、ソングライターかつミュージシャンとして技術を学ぶというだけでなく、多くの人たちとコネクションを築く上でも、素晴らしいツールになりましたね。というのもオンライン上には、世界中から私たちを応援してくれているフォロワーのコミュニティがあって、みんなで集まって、お互いが発するポジティブなエネルギーで刺激を与え合っていたんです。そういう意味でも感謝の気持ちで一杯です。と同時にクリエイティブな面では、メーガンとふたりで、2本のギターとふたつの声だけを用いて、史上最も偉大な曲の数々を解体し、どこが素晴らしいのか探り、リズムの感触だったり、サビがどのように高揚するのかを学ぶことで、図らずして多くを得て、自分たちをどう見せたいのか考えさせられました。

メーガン:カバーをやっていて得た最大の学びは、いい曲は、曲そのものの力で立っていられるということですね。オーケストラが演奏しようがロックバンドが演奏しようが、ギターの弾き語りだろうが、関係なく成立する。今回のアルバムではそういう曲を作りたかったんです。私の家の地下にある部屋で曲作りをしていた時、ギターと声だけで成立しない曲は、まだレコーディングできるレベルには達していないと判断しました。全ての曲が、そういうプロセスを経ているんです。



2人は自身のYouTubeチャンネルで、過去にレッド・ツェッペリン、ジミ・ヘンドリックス、ローリング・ストーンズ、スティーヴ・ミラー・バンド、ピンク・フロイド、ロッド・スチュワート、ピーター・ガブリエル、レニー・クラヴィッツ等々さまざまなカバー動画を100本以上も投稿。コロナ禍のロックダウン中にも自宅からパフォーマンスをアップを続けて人気を集めた。

※「Larkin Poe Cover Channel」一覧はこちら

―そのカバー・シリーズで、スコーピオンズの「ウィンド・オブ・チェンジ」を取り上げていますよね。あの曲は1990年発表で、人々が未来に希望を抱いていた時代に生まれました。やはり今の世界の状況を意識して選んだんでしょうか?

メーガン:希望を感じることは本当に大切なことです。割れ目から差し込む光を見ていたいですからね。世界は間違いなく闇に包まれていて、それを忘れないことも重要なんですが、ポジティブ志向を保って、光を探さなければ。

レベッカ:希望を抱くことには怖さも伴います。なぜってそこにはリスクがあって、自分の感情をさらけ出さなければならないですから。でも人生のあらゆる側面でほかの人たちを信頼し、愛を信じ、感情をさらけ出すことで……。

メーガン:いいことが起きるんです。

レベッカ:そう、いいことがあります。実践するとなると、言葉で言うほど簡単ではないかもしれませんが、これは非常に重要なこと。音楽はそれを実現する手助けになると思うんです。

メーガン:そして“変化の風”は常に吹いていますから!



―最後に、日本のリスナーへのメッセージをお願いします。

メーガン:日本は、世界で一番行くのが好きな国のひとつです。日本のカルチャーも、食べ物も、建築物も大好きで、またそちらに行ける日が来るのを心から楽しみにしています。そして、日本のファンのみなさんがアルバムを気に入って下さるよう願っています。

レベッカ:世界の反対側にまで旅して、東京で思い出深いコンサートを開催できたという事実は、私たちにとってかけがえのない思い出ですし、みなさんのことが恋しい。次の来日が待ち切れません。

(インタビュー・文:新谷洋子)




ラーキン・ポー
『ブラッド・ハーモニー』
2022年11月9日日本先行発売/11月11日全曲配信スタート
日本盤:BSCD2、ボーナス・トラック1曲収録
再生・購入:https://sonymusicjapan.lnk.to/LarkinPoe_BloodHarmony

日本公式ページ:https://www.sonymusic.co.jp/artist/larkinpoe/

 
 
 
 

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